海面の上昇あるいは地盤の沈降によって、相対的に海水準が上昇し、海が陸地内に侵入した状態の海岸。かつての尾根は岬や島となり、谷の部分は湾や入り江となり、屈曲の多い海岸線をもつことが多い。海岸線の形状は、沈水前の陸上地形によって異なり、壮年山地が沈水すると、樹枝状の入り江をもつリアス海岸が形成され、沈水の量が小さい台地の場合、大河川下流部は三角江(こう)(エスチュアリーestuary)となる。老年期の山地やかなり開析の進んだ陸地が沈水すると、多島海を形成し、瀬戸内海のような沈水海岸がみられる。
沈水海岸の沖合いの海底には、海底谷や沈水三角州などの地形が認められることがある。新生代第四紀の完新世(沖積世)前半においては、世界的な海面の上昇があり、各地に著しい沈水海岸が出現したが、その後しだいに岬の部分の海食による後退や、入り江の堆積(たいせき)による前進で平滑される過程にある。
[豊島吉則]
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