珪化木(読み)ケイカボク(その他表記)silicified wood

関連語 名詞 西田

精選版 日本国語大辞典 「珪化木」の意味・読み・例文・類語

けいか‐ぼくケイクヮ‥【珪化木】

  1. 〘 名詞 〙 樹幹が珪化した植物化石。樹木が地中にうずもれ、珪酸分を含む地下水作用により、木質が珪酸におきかえられるためにできる。筑豊炭田で多く見つかる松岩など。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「珪化木」の意味・わかりやすい解説

珪化木
けいかぼく
silicified wood

樹幹が珪質化して保存された植物化石。多くの場合、堆積(たいせき)物中に埋没した樹幹に、水に溶けたケイ酸分(SiO2・nH2O)が細胞内や細胞間のすきまに浸透・沈着したのち、珪酸鉱物を晶出したものと考えられている。珪化木中の珪酸鉱物は、オパール(たんぱく石)、玉髄(ぎょくずい)(めのうを含む)、微晶質石英などで、後二者が普通である。珪化木は木材の微細な構造を残していることから、樹種や類縁関係を調べ、植物の系統や進化を明らかにする資料となる。また、たとえば年輪の状況から気候が判定できるように、古環境や古生態を知るよい手掛りとなり、その研究は葉や果実の化石、花粉分析とともに古植物学の重要な一分野を占めている。日本での珪化木産出は、おもに中生代と新生代の地層からで、とくに日本海沿岸地域(秋田、山形、石川、鳥取の各県など)の新生代新第三紀中新世の地層から多産する。珪化木は、化石化作用のうち、石化の代表的な例であるが、同様に炭酸カルシウム鉄分黄鉄鉱褐鉄鉱)などの鉱物質の沈着による樹幹化石も知られている。いずれの場合も、もとの植物体の圧縮変形が少ないことから、地中埋没後、早い時期に石化が完了したと考えられる。

[植村和彦]


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最新 地学事典 「珪化木」の解説

けいかぼく
珪化木

silicified wood

樹幹の細胞壁や細胞中に外部から珪酸溶液がしみ込み,内容物と置換・沈殿し,材全体がオパールまたはめのう化したもの。材の内部組織がよく保存され,分類・形態学的研究に役立つ。珪化が進むと細胞構造も破壊され,樹木オパールとなる。petrified wood(石化化石材)という語はしばしば珪化木と慣用的に訳されるが,炭酸塩置換型の材化石など珪酸置換以外のものも含め広く指す場合もあり混乱していた。近年は,こうした無機塩置換型の化石材すべてを鉱化化石材(permineralized wood)と呼ぶことが多く,珪化木はそのなかの一保存形態となる。日本にも岩手県根反ねぞり,岐阜県庄川流域などに広くみられるが,おもに中生代〜新第三紀中新世の地層に見られる。岩手県二戸郡一戸町にある根反の大珪化木は1952年国指定特別天然記念物。

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