石投(読み)いしなげ

精選版 日本国語大辞典 「石投」の意味・読み・例文・類語

いし‐なげ【石投】

〘名〙
① 石を投げること。
鳥獣戯話(1960‐62)〈花田清輝〉三「信玄の養成した石投げの特技をもった連中のことであって」
遊戯一種小石を投げあい、的に当てたり、石の飛ぶ距離などを競うもの。つぶてうち。いしうち。
※石山寺本瑜伽師地論平安初期点(850頃)二三「託石(イシナケ)し、跳躑し、蹴蹋(ふみしら)ひ」
③ =いしなご(石子)①〔和漢三才図会(1712)〕
歌舞伎文楽における型の名。石を投げたような形で見得をきるもの。
⑤ ふたまたになっている支軸にゴムを結びつけ、小石などをはさんで飛ばすおもちゃ。パチンコ
暑中休暇(1892)〈巖谷小波〉一「此間も君に投石器(イシナゲ)を遣ったら〈略〉君許(きみんとこ)の阿母様(おっかさん)に叱られたぜ」

いし‐なぎ【石投】

〘名〙 スズキ科の海魚。体長約二メートルになる。幼魚には黒褐色のたて縞(じま)があるが、成長すると消える。北海道から高知県石川県にわたって分布し、深海の岩礁部に多い。食用として夏が美味。肝臓にビタミンAを多量に含み、食べ過ぎると中毒する。《季・夏》
滑稽本・七癖上戸(1810)下「鯛の貴(たっと)きも石薙(イシナギ)の賤しきに位を奪はるるなど」

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デジタル大辞泉 「石投」の意味・読み・例文・類語

いし‐なぎ【石投】

スズキ科の海水魚。全長約2メートル。長楕円形でやや側扁し、灰褐色。幼魚には黒褐色の4~6本の縦走帯がある。深海の岩礁域にすむ。食用。肝臓がビタミンAに富むため、食べると中毒を起こすことがある。 夏》

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動植物名よみかた辞典 普及版 「石投」の解説

石投 (イシナギ)

学名:Stereolepis doederleini
動物。スズキ科の海水魚

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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