



(ばうしう)なり」とあり、あかね草をいう。〔詩、
風、東門之
(とうもんしせん)〕の〔陸
〕に、一名地血、斉では茜、徐州では牛
というとみえる。〔説文〕前条の
に、「
、
(じよろ)(あかね草)なり」とあり、人血の生ずるところであるという。根が赤く、染料とする。〔万葉集〕に「
さす紫」「
さす日」のように用いる。
に作る。
阿加
(あかね)〔名義抄〕
アカネ・アケ
(
)・
tsy
nは同声。茜をもって染めたものを
(せん)という。〔説文〕十三上に「赤き
(きぬ)なり」とあり、青赤色、紫に近い色である。
▶・茜紅▶・茜衫▶・茜袖▶出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
山野に自生するつる性の多年生草本アカネの根から得られる赤色の染料。日本の茜Rubia cordifoliaは、古く奈良時代から用いられてきたもので、同じ赤系統の染料である紅(べに)、蘇芳(すおう)よりも堅牢(けんろう)な色を染め出す。プルプリンを含む代表的な媒染染料で、媒染には、アルミニウム、すなわちアルミニウムを含有する植物、ニシコリ、ツバキ、サカキなどの灰が用いられた。これに比べて効率のいい金属性アルミニウム(ミョウバン)も文明度の高い地域から使用が始まり、現在では世界の各地で用いられている。茜染めの染法は、一般的には被染物へまず媒染剤を施して、その後に染料に浴染する先(さき)媒染の方法が多く行われている(インド、インドネシアなど)。日本で現在行われている伝統的な方法は、まずニシコリの灰汁(あく)に糸または裂(きれ)を120回もつけては干して十分媒染剤を浸透させたものを、アカネの根を煎(せん)じた染汁に浸し、所望の濃さを得るまで繰り返して染め上げる。
伝統的な茜染めで世界的に有名なのは、インドおよびインドネシアの茜染めで、染料はインドアカネMorinda citrifoliaの根が用いられる。とくに近年までその染法がミステリーといわれていたインドの赤indian redやインドネシアのバリ島のテンガナンの茜染めは、植物性または動物性の油脂、皮革なめしに用いられるタンニン性の物質を加えたりして、何か月もかけて行われるという。
[山辺知行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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