やまと山脈(読み)ヤマトサンミャク

デジタル大辞泉 「やまと山脈」の意味・読み・例文・類語

やまと‐さんみゃく【やまと山脈】

南極大陸クイーンモードランドにある山脈昭和基地の内陸約300キロメートルに位置する。標高約2000メートルの氷床上に六つの山塊が突出する。最高峰は福島岳(標高2494メートル)。1960年に日本隊が初調査。同年、航空機による偵察を行ったベルギー隊は、クイーン=ファビオラ山脈と命名した。周辺の氷原上で大量の隕石が見つかっており、やまと隕石とよばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「やまと山脈」の意味・わかりやすい解説

やまと山脈 (やまとさんみゃく)

南極の南緯71.5°,東経35.7°を中心に南北約50kmに点在する6群(A~F)の山塊からなる。標高約2000mの氷床上に突出する2494mの福島岳が最高。1960年末に日本隊が初調査をして翌年正式に命名された。周囲裸氷上で1969年12月に隕石が発見され(やまと隕石),現在約4000個に達する。1960年10月にベルギー隊の航空機による偵察があり,同国はクイーン・ファビオラ山脈Queen Fabiola Mountainsと命名した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「やまと山脈」の意味・わかりやすい解説

やまと山脈
やまとさんみゃく

南極大陸クイーンモードランド,昭和基地の南南西約 300kmの地点にある山脈。7つのやや大きな山塊と,多数のヌナタク (孤立峰) から成り,標高約 2200~2400mの山頂が,標高 1600~2000mの大陸氷の上に 50km以上にわたって南北にそびえる。花崗岩閃緑岩片麻岩から成る。日本の探検隊が 1960年に発見,調査し,69年,付近の裸氷 (青氷) 地帯から9個の隕石が発見され,続いて 73年に 12個,74年に 663個,75年に 307個を採集,「やまと隕石」と命名されて世界的に有名になった。 79~80年シーズンには約 3000個を採集。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「やまと山脈」の意味・わかりやすい解説

やまと山脈
やまとさんみゃく

南極、昭和基地の南西約300キロメートルの南緯71度30分、東経35度40分を中心に、南北に点在する六群の山塊。標高約2000メートルの氷床上に突出する福島岳(2494メートル。1960年遭難の福島紳(しん)隊員にちなむ)が最高峰。1960年(昭和35)末に日本隊が初調査を行い、翌年正式に命名した。1969年末に裸氷上で隕石(いんせき)(やまと隕石)を発見し、以後その数は5000個に達する。1960年10月に航空機から見たベルギー隊は、クイーン・ファビオラ山脈Queen Fabiola Mountainsと命名した。

[楠 宏]

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