精選版 日本国語大辞典 「カチン族」の意味・読み・例文・類語
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おもにミャンマーの山地に住む少数民族のひとつ。自称はジンポーJinghpawまたはチンポーChingpaw。中国では景頗族と呼ばれる。おもな居住地域は,ミャンマーのカチン州とシャン州の北部で,中国の雲南省やインドのアッサム州にも住む。言語的にはチベット・ビルマ語族に属し,豊富な接頭辞の体系をもつ。語順はビルマ語同様,主語-目的語-動詞の順に並ぶ。カチン族の中には,ジンポー族のほか,マル,ラシ,アツィなどの種族が含まれる。社会構造的には,世襲的首長(ドゥワ)が支配するグムサ社会と,住民によって首長が選出されるグムラオ社会とに分かれる。どの家庭にも祭壇があり,先祖の霊を祀っている。父系制社会で,子供たちは父方の姓を継ぐ。居住形態も夫方居住である。家督,祭祀,財産のすべてが,男の末子によって相続される。家屋は高床式で長方形をしている。おもな生業は農業で,平地では水田耕作,山地では焼畑耕作を行う。
執筆者:大野 徹
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