プラズマエッチング(英語表記)plasma etching

デジタル大辞泉 「プラズマエッチング」の意味・読み・例文・類語

プラズマ‐エッチング(plasma etching)

プラズマを用いて、半導体集積回路などの微細回路を作製する方法プラズマ中に試料をさらすことにより、不必要な部分原子化学的または物理的に取り去る。特に、プラズマ中の活性イオンと反応気化させて不要原子を取り去るプロセスを反応性イオンエッチング(RIE)と呼ぶ。→ドライエッチング

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラズマエッチング」の意味・わかりやすい解説

プラズマエッチング
plasma etching

半導体素子製作工程の一つであるエッチングを低温ガスプラズマ中で行うもので,従来の化学エッチングに比べて,同時に大量に処理でき,鮮明なエッジが得られ,工程が簡単になる。これを用いると半導体素子作製に化学薬品や水を使用しないドライプロセスが達成できる。通常,石英またはアルミ製反応管に 0.1~10トルのハロゲン系ガス (主としてフッ素化合物,たとえば CF4 ) などを入れ,外側コイルあるいは対向電極に 13.56MHzの高周波電力を与えて反応管中に低温のガスプラズマを製作し,その中にできるハロゲン系の活性化学種によりシリコン (ケイ素) あるいは二酸化シリコン,四窒化三シリコンなどをエッチングする。エッチング速度は,ガスの組成,ガスプラズマの濃度,エッチされる物質により変化する。

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化学辞典 第2版 「プラズマエッチング」の解説

プラズマエッチング
プラズマエッチング
plasma etching

LSIにおいて微細パターンをつくるため,プラズマにより励起状態にしたガスを用いて半導体や誘電体などを除去する技術のこと.代表的な例としては,SiがF系のガスによりSiF4となって気化する性質があるが,この反応は通常は起こりにくいため,励起状態にした反応性の高い分子や原子を用いてSiとFを反応させる.液体の反応と違い表面張力の影響がないので,微細なパターンでも容易につくることができる.エッチング条件によっては,反応性ガスの基板への入射方向を電界により制御できるので,トレンチとよばれる幅が狭く深い溝をつくることもできる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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