ワルデック・ルソー(読み)わるでっくるそー(英語表記)Pierre Marie René Waldeck-Rousseau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワルデック・ルソー」の意味・わかりやすい解説

ワルデック・ルソー
わるでっくるそー
Pierre Marie René Waldeck-Rousseau
(1846―1904)

フランスの政治家。弁護士から1879年代議士当選、自由主義共和派の共和同盟に属した。1881年ガンベッタ内閣の内相。さらに1883年フェリー内閣の内相として、労働組合結成を認めた同業組合法を成立させた。一時弁護士活動に専心して盛名を得たのち、1894年上院議員となり、ドレフュス事件に際して強まった国粋主義国家主義、反共和主義的カトリック勢力の脅威に対して、1899年6月自由主義共和派を主体に、急進派、社会主義者(ミルラン)を加えた「共和制防衛内閣」を組織した。国粋主義者らを逮捕訴追し、ドレフュス特赦を与えて事件を終息させたのち、労働局の設置(商工省)、労働時間短縮などの労働政策を推進し、退職年金法をも立案した。カトリック修道会を規制する社団法の制定も重要な成果である。

石原 司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ワルデック・ルソー」の解説

ワルデック・ルソー
René WaldeckRousseau

1846~1904

フランスの政治家。1879年穏和共和派の代議士となりフェリーに従ってカトリック教会規制,非宗教的教育政策を行った。99年ドレフュス事件を収拾して,カトリック派,軍部右翼攻撃から共和政を守ることを目的とする「共和政防衛内閣」を,社会主義者ミルランをも含めた全共和主義派の支持もとに組織して,ドレフュス事件を勝利うちに解決した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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