デジタル大辞泉
「口舌」の意味・読み・例文・類語
く‐ぜつ【口舌/口説】
1 言葉。弁舌。また、口先だけのもの言い。おしゃべり。多弁。「恋の―」「―の徒」
2 言い争い。文句。特に江戸時代、男女間の痴話げんか。
「かやうの―の絶えぬは、これゆゑにこそ」〈著聞集・一六〉
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こう‐ぜつ【口舌】
〘名〙
② もの言い。ことば。弁舌。また、口先だけのもの言い。くぜつ。くぜち。
※令義解(718)戸「凡棄レ妻。須レ有二七出之状一。〈略〉四 口舌〈謂。多言也。婦有二長舌一。維厲之階。是也〉」
※東寺百合文書‐を・正長二年(1429)正月鎮守八幡宮釜鳴動占文案「今月七日卯時、鎮守御供釜鳴、
吉凶 占之、火事、年内自二月至十月慎之〈略〉又云、有口舌事、兼被致祈請、自旡其咎乎」
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉四「人生の目的は口舌ではない実行にある」 〔
史記‐蘇秦伝〕
[補注]②は、挙例「東寺百合文書」のように
公私の場における占い(占文)の卦
(け)の用語ともなっており、怪異吉凶を占うと、疾病・闘諍・
失火・盗賊・口舌・訴訟、その他の
災厄の卦が出ることがあり、そのひとつにあげられている。
くぜり【口舌】
※大淵代抄(1630頃)八「
籬辺をくくり回はる燕雀のくぜりだ」
② 続けざまにうるさくしゃべること。
ぺちゃくちゃと物を言うこと。
※寄合ばなし(1874)〈榊原伊祐〉初「馬士雲助船頭のくぜりも、緩急遅速の律にたがはぬと申すは」
く‐ぜ【口舌】
〘名〙 「くぜつ(口舌)②」の略。
※雑俳・大福寿覚帳(1711‐16頃)「ちはやふる・くぜや
りんきできゃくのぼす」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「口舌」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報