普及版 字通 「口(漢字)」の読み・字形・画数・意味
口
常用漢字 3画
[字訓] くち
[説文解字]
[字形] 象形
口の形。〔説文〕二上に「人の言する以なり。象形」という。ただ卜文・金文にみえる口を含む字形のうち、口耳の口と解すべきものはほとんどなく、おおむね祝・盟誓を収める器の形である(さい)に従う。すなわち祝告に関する字とみてよい。文字は祝告の最もさかんに行われた時期に成立し、その儀礼の必要によって成立したものである。
[訓義]
1. くち、いりくち。
2. くちずから、ものいう、ことば。
3. のみくい。
4. 人を数える。人口、戸口。
5. 刀などを数える助数詞。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕口 クチ/口子 クチバセ 〔字鏡集〕口 クチ・ホトリ・コガネスリ・ハジメ
[部首]
〔説文〕に名・吾・君・命・召・唯・和・哉・台・・咸・(呈)・右・(周)・各・哀・咼・局など百八十字、重文二十一、また〔新附〕十字を属し、〔玉〕には後出の字を合わせて五百十三字を属する。〔説文〕のうち、右にあげた諸字はみな祝の儀礼に関する字。口耳の口の意をもつ字は、おおむね卜文・金文より後に作られた字である。もとより〔書、盤庚上〕「乃(なんぢ)が口を度(と)ぢよ」、〔詩、小雅、正月〕「好言、口よりす」、〔詩、小雅、十月之交〕「讒口囂囂(がうがう)たり」のような例もあるが、卜文・金文の字形中に要素として含まれている口形のものは、祝詞を収める器の形である(さい)と解すべきである。
[声系]
〔説文〕に口声として・扣・釦の三字を収めるが、おおむね後出の字である。
[熟語]
口分▶・口案▶・口詠▶・口鋭▶・口過▶・口禍▶・口哦▶・口諧▶・口角▶・口技▶・口義▶・口戯▶・口給▶・口教▶・口頰▶・口吟▶・口訣▶・口語▶・口講▶・口号▶・口才▶・口算▶・口讒▶・口脂▶・口觜▶・口試▶・口耳▶・口事▶・口辞▶・口実▶・口授▶・口柔▶・口述▶・口誦▶・口唱▶・口詔▶・口箴▶・口数▶・口籍▶・口舌▶・口宣▶・口銭▶・口爽▶・口燥▶・口沢▶・口談▶・口勅▶・口頭▶・口訥▶・口白▶・口費▶・口碑▶・口票▶・口稟▶・口敏▶・口賦▶・口腹▶・口吻▶・口辺▶・口弁▶・口誉▶・口利▶・口糧▶・口累▶・口令▶・口斂▶・口論▶
[下接語]
悪口・異口・一口・悦口・掩口・火口・河口・家口・海口・開口・箝口・緘口・金口・禁口・吟口・渓口・経口・鶏口・欠口・戸口・虎口・糊口・餬口・港口・讒口・肆口・口・口・赤口・衆口・銃口・傷口・縄口・信口・人口・寸口・舌口・艙口・注口・猪口・張口・杜口・渡口・洞口・訥口・佞口・百口・閉口・弁口・黙口・養口・利口・湾口
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報