デジタル大辞泉
「舌先三寸」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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したさき‐さんずん【舌先三寸】
- 〘 名詞 〙 =したさんずん(舌三寸)
- [初出の実例]「舌さき三寸で生きていた口舌の徒のあいだに」(出典:鳥獣戯話(1960‐62)〈花田清輝〉二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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舌先三寸
心がこもらず、口先だけであること。また、そのことば。
[使用例] 罠にかけたつもりで、逆に罠にかかり、そのまま病死してしまった、哀れな絵葉書屋のセールスマン。だが、その絵葉書屋が、からっきしの舌先三寸だったとも思えないのだ……[安部公房*砂の女|1962]
[使用例] 「詭弁ですからね」と、金井は明るく笑った。「この詭弁を本当らしくきかせるのがあなたの舌先三寸です。あなたなら、きっと、うまくやれます」[小林信彦*夢の砦|1983]
[使用例] そういう条件交渉はな、おまえみたいな舌先三寸の嘘つきのすることや。あの女はわしの人徳にほだされて喋ったんや[黒川博行*螻蛄|2009]
[解説] 江戸時代には「舌三寸」と言いました。近代以降に「舌先三寸」の形が現れて、現在の主流になりました。
百科事典によると、日本人の舌の長さの平均は約七センチだそうです。一方、「舌先三寸」は、一寸が約三・〇三センチとすれば、約九センチ。ずいぶん長い舌のようですが、「三」という数字に大した意味はなく、ここでは「ちょっとした舌の先」というほどの意味です。
舌の先をちょっと動かすだけで、相手を丸め込んだり、物を売りつけたりする。話術の巧みな人物は、それを苦もなく行います。ただし、その舌先に乗っているのは嘘と詭弁です。
「舌先三寸」を「口先三寸」と言う人もいます。誤用とされますが、過去の文豪が使っている例を見ると、さほど違和感はありません。
舌と同様に、口の先端が三寸もないのは確かです。この場合も、単に「ちょっとした口の先」というほどの意味で「口先三寸」と言っているのでしょう。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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