広松渉(読み)ヒロマツワタル

デジタル大辞泉 「広松渉」の意味・読み・例文・類語

ひろまつ‐わたる【広松渉】

[1933~1994]哲学者福岡の生まれ。東大教授。マルクス研究に大きな功績を残し、独自の哲学構築。著「マルクス主義地平」「世界の共同主観的存在構造」「存在と意味」など。

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百科事典マイペディア 「広松渉」の意味・わかりやすい解説

広松渉【ひろまつわたる】

哲学者。福岡県生れ。1959年東京大学哲学科卒業,1965年同大学院博士課程単位取得退学。1966年名古屋工業大学助教授,1967年名古屋大学教養部講師,1969年助教授となったが,学生運動を支持し,1970年辞職。1972年法政大学講師,1973年東京大学教養学部講師,1976年助教授,1982年教授,1994年名誉教授。社会主義運動に関わりながらマルクス主義を基に独自の哲学を構築し,新左翼運動の理論の一つとして支持された。主著に《マルクス主義の成立過程》(1968年),《唯物史観原像》(1971年),《資本論の哲学》(1974年),《存在と意味》(1982年),《新哲学入門》(1988年),《マルクスの根本意想は何であったか》(1994年)などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「広松渉」の解説

広松渉 ひろまつ-わたる

1933-1994 昭和後期-平成時代の哲学者。
昭和8年8月11日生まれ。名古屋工大助教授などをへて,昭和57年東大教授となる。高校時代から共産主義運動に参加。六○年安保闘争以後,新左翼運動の理論家として活動。マルクスの「ドイツ・イデオロギー」の考証翻訳によりマルクス主義研究にあらたな段階をひらく。物象化キーワードにした「マルクス主義の地平」をあらわした。平成6年5月22日死去。60歳。福岡県出身。東大卒。著作はほかに「世界の共同主観的存在構造」「存在と意味」など。

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