精選版 日本国語大辞典 「確・聢」の意味・読み・例文・類語
しっかり【確・聢】
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物事・状態が堅固で、また、たしかなさまを表わす語。
(イ) 土台や構成が堅固で安定しているさま。「会社の経営基盤がしっかりしている」 〔詞葉新雅(1792)〕
(ロ) 記憶・判断の仕方が確実であるさま。
(ニ) 心がひきしまっているさま。意識が確かなさま。
※浪花聞書(1819頃)「しッかり しっかりせいなと云也」
(ホ) かたくついて離れなくするさま。かたく。がっちり。
※婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「始から確乎(シッカリ)握った袂を」
(ヘ) 仕事・勉強などを熱心・着実に行なうさま。
※わかれ道(1896)〈樋口一葉〉中「勉強をしなけりゃあ成らないよ、しっかり遣ってお呉れ」
(ト) 物の関係・度合いなどが、はっきりとしているさま。
② 物が豊富であったり、状態がはなはだしかったりするさまを表わす語。
(イ) たくさんあるさま。ぎっしり。十分。
※洒落本・契国策(1776)南方「旦那もやぼじゃないしっかりと酒てを下さるはしれた事だ」
(ロ) 程度のはなはだしいさま。ひどく。まったく。すっかり。
③ 毒虫などにさされて痛むさま、また、湯などの熱いさまを表わす語。〔かた言(1650)〕
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