衡陽(読み)こうよう

精選版 日本国語大辞典 「衡陽」の意味・読み・例文・類語

こうよう カウヤウ【衡陽】

中国湖南南部政治経済の中心都市。湘江と蒸水の合流点に位置し、隋代には県、民国時代には道が置かれた。北の衡山には回雁峰があり、渡る雁は、ここから南へは進まずに引き返すといわれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「衡陽」の意味・わかりやすい解説

衡陽
こうよう / ホンヤン

中国、湖南(こなん)省中南部の工業都市。地級市であり、5市轄区、5県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口791万5000(2014)。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))水系の湘江(しょうこう)とその支流の耒水(らいすい)、蒸水(じょうすい)との合流点に位置する。五岳の一つである衡山(こうざん)がその名の由来である。漢代は承陽、鐘武2県に属し、隋(ずい)代に臨烝県とあわせて衡陽県が置かれ、衡州州治となり、歴代路治、府治であった。1943年市制施行。

 湖南省南部の水陸交通の要衝で、京広線から、湘桂(しょうけい)線(衡陽―憑祥(ひょうしょう))が分岐し、湘江の河港でもある。地下資源はカオリン土など多種多様で、金属、機械、鉱山開発、セメント、化学肥料、紡織などの工業が立地する。周辺農村部は米、サツマイモ、タバコラミーチョマ)、豆類、ハスを産し、南岳(なんがく)の雲霧茶(うんむちゃ)(緑茶の一種)、祁東(きとう)の黄花菜(ホワンホワツアイ)(食用花)と莚(むしろ)、衡東(こうとう)の柑橘(かんきつ)類などが名産である。石鼓嘴(せきこし)、回雁峰(かいがんほう)などの名勝がある。

[河野通博・編集部 2016年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「衡陽」の意味・わかりやすい解説

衡陽 (こうよう)
Héng yáng

中国,湖南省南部の工業・交通都市。人口88万(2000)。湘江とその支流の耒水(らいすい)・蒸水が市内で合流し,京広(北京~広州)・湘桂(衡陽~友誼関)両鉄道が交わる。漢代に承陽県が置かれ,隋代に衡陽県と改められた。古来,湖南省南部における水陸一貫交通・物資集散の中心で,1943年衡陽県から分離して市となった。耒陽市のほか6県を管轄する。岩塩を原料とした化学工業など重化学工業が発達している。名勝に富み,四大書院の一つに数えられ,唐の李寛の創立にかかる石鼓書院のほか,合江亭,開雲楼をはじめ古跡も多い。
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百科事典マイペディア 「衡陽」の意味・わかりやすい解説

衡陽【こうよう】

中国,湖南省南部の同省第2の都市。旧名衡州。湘江・耒水(らいすい)・蒸水の合流点に当たり,京広鉄路・湘桂鉄路の連絡点をなす。鉱山機械製造工業を中心に,精米,セメント,製粉,タバコ,製材等の工業が発達,さらに硫酸・製薬・農機具工業もあって,湖南省中・南部の工業の中心地。衡陽医学院,衡陽礦冶工程学院等の教育機関がある。98万人(2014)。

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