アカツクシガモ(その他表記)Tadorna ferruginea; ruddy shelduck

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカツクシガモ」の意味・わかりやすい解説

アカツクシガモ
Tadorna ferruginea; ruddy shelduck

カモ目カモ科。全長 58~70cm。全身が鮮やかなオレンジ褐色をした大型のカモ。頭頸部は体より色が淡く,眼のまわりや基部が白い鳥もいる。風切羽と尾羽は黒い。雨覆羽は白いが,飛ぶとき以外は目立たない。繁殖期の雄は頸に細い黒色の輪がある。嘴と脚は黒い。黒海周辺から中央アジアモンゴル中国内陸部にかけての地域では夏鳥(→渡り鳥)で,北アフリカ西部とエチオピア中東ウズベキスタン周辺では不連続に留鳥として分布する。夏鳥は,アフリカ北東部と,パキスタンインドからインドシナ半島北部や中国南部にかけての地域で越冬する。アジア内陸部では秋冬期に大きな群れが見られる。水鳥だが草原でも暮らし,水域から離れた砂地のくぼみ,崖の穴や割れ目樹洞などに巣をつくる。主食は草や葉,種子だが,昆虫,貝,小魚,エビなども食べる。日本にも冬鳥として少数が渡来し,干潟湖沼,広い水田などに生息する。(→ガンカモ類

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