アグレマン(読み)あぐれまん(英語表記)agrément フランス語

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アグレマン」の意味・わかりやすい解説

アグレマン
agrément

ある国が外交使節団の長 (大使または公使) を他の国に派遣しようとする際にその個人について,事前に派遣される国 (接受国) の同意を得ること。もともとは「同意」を表わすフランス語であるが,外交用語として広く用いられ,英語でも普通に用いられている。アグレマンは,外交使節団の長の地位が重要なもので派遣国と接受国との関係に大きな影響を及ぼすため,接受国にとって好ましい人物であることが両国利益になることから求められるもので,アグレマンが与えられなかった例としては,ロシアのニコライ皇帝がイギリスのカニング卿をロシア駐在大使として認めるのを拒んだのが歴史的に有名であるが,一般に接受国は拒否理由を示す義務を負わないものとされている。これは外交関係に関するウィーン条約 (1961) で成文化された。 (→ペルソナ・ノン・グラータ )  

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アグレマン」の意味・わかりやすい解説

アグレマン
あぐれまん
agrément フランス語

外国からの外交使節を接受するに際して、異議なく同意する旨の意思表示をいう。派遣国が外交使節として任命する者を、接受国はその一身上の理由で拒絶することが認められているから、派遣国は接受国に対して事前に接受に異議がないかどうかを照会しなければならない。これを「アグレマンを求める」という。これに対して、接受国が異議のない旨回答することを「アグレマンを与える」という。

[石本泰雄]

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