出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
エジプトの首都カイロにあるイスラム寺院。創立は970年で、併設されたマドラサ(モスク付属の学校)が、のちにイスラム世界の教学の中心となり今日のアズハル大学にまで発展した。一部の学生は現在もモスク内の学寮に起居して学んでいる。当初の建物は中央のミヒラーブ(メッカの方向を示す壁面のくぼみ)のあたりに残っているだけで、あとの大部分は14~16世紀マムルーク朝時代の増改築によるものである。5本の壮麗なミナレット(塔)がそびえ、堂内には375本の石柱が林立し、祈る人たちの姿が絶えない。この寺院のあるカイロは1979年世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[紅山雪夫]
…カイロは16世紀には一時繁栄を取り戻したが,その後振るわず,1770年代以降のマムルークの争いなど政治的混乱でどん底に落ち,市中の各所に荒廃した部分がみられた。1798‐1801年のナポレオン軍占領下にカイロ市民は2回反乱を起こしたが鎮圧され,このときムカッタムの丘からの砲撃でアズハル・モスク付近がかなり破壊された。
[近代化と中心の移動]
ナポレオン軍撤退後のエジプトは,諸軍事勢力が入り乱れてカイロもしばしば略奪をうけたが,そのなかに大商人とウラマーを指導層とする一種のコミューンが生まれて大衆を武装させ,その力でオスマン帝国の総督を追って,アルバニア人傭兵隊長ムハンマド・アリーを総督に推戴し,やがてオスマン帝国にこれを認めさせた(1805)。…
※「アズハルモスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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