政治的な主張を動機としてサイバー攻撃を行う国際的ハッカー集団。インターネットの匿名性や自由、人権や環境、動物保護などを旗印にする。「ハッカー」と活動家を意味する「アクティビスト」を組み合わせた造語「ハクティビスト」の代表的な存在とされる。2015年ごろに活動は停滞したが、22年のウクライナ侵攻を口実にロシア政府のウェブサイトを攻撃してから、勢いを盛り返している。
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インターネット上の匿名性や情報発信の自由を守ることを旗印に掲げ、これに制限や規制を加えようとする政府や団体、企業などにサイバー攻撃をかける国際集団。サイバー攻撃とは、コンピュータ・ネットワークに不正にアクセスする行為で、アノニマスはおもにネット上の特定サーバーに大量のデータを送りつけるなどして、サイトを閉鎖に追い込む手法を使う。ネット掲示板で、名前を空欄にして投稿すると表示される「anonymous」(英語で「匿名の」という意味の形容詞)が組織名の由来である。アメリカのネット掲示板利用者が2003年ころ組織したとされ、2008年に宗教団体サイエントロジーScientologyの公式サイトをサイバー攻撃して有名になった。
2010年から2011年にかけて発生したアラブ騒乱では、ネット検閲や利用規制を行ったチュニジア政府やエジプト政府などへサイバー攻撃をかけた。また、アメリカの公文書を公開した匿名告発サイトのウィキリークスとの取引を停止したクレジット会社などを攻撃したほか、日本では2011年(平成23)、ソニーが提供するオンラインサービスであるプレイステーション・ネットワーク(PSN)の個人情報が大量に流出した事件に関与していたとされる。このほかポルノ規制などに対しても頻繁にサイバー攻撃をかけている。
アメリカ連邦捜査局(FBI)などが捜査を進めて逮捕者も出ているが、特定の指導者がいるわけではなく、顔ぶれのかわる主要メンバーが決めた標的に対し、緩やかにつながった個人が集まって攻撃活動をしているとみられる。本拠地、活動地域、組織規模などはわかっていない。アノニマスへの対抗措置として、政府や企業がハッカーを雇用する例も増えている。
[編集部]
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(横田一輝 ICTディレクター / 2011年)
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