アミアン大聖堂(読み)あみあんだいせいどう(英語表記)Cathédrale Notre-Dame d'Amiens

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミアン大聖堂」の意味・わかりやすい解説

アミアン大聖堂
あみあんだいせいどう
Cathédrale Notre-Dame d'Amiens

フランスのアミアンにあるノートル・ダム大聖堂。ゴシック教会建築を代表し、最大の規模を誇る。面積約7700平方メートル、容積約20万立方メートル、奥行145メートル、身廊の幅14.6メートル、高さ42.3メートル、側廊の幅8.65メートル。前時代のロマネスク様式の教会が1218年の火災で破損したのち、司教ド・フイヨワ時代の1220年にロベール・ド・リュザルシュの設計で再建が始められ、引き続き1288年までトマ・ド・コルモンと息子のルノーが監督にあたった。身廊、西正面とその扉口の彫刻は1236年に、内陣は1269年に、周歩廊と放射状礼拝堂は1247年に完成した。西正面南北の塔は14世紀後半から15世紀初頭に完成。西正面の三つの扉口および南翼廊の扉口には、13世紀の傑作とたたえられる『美しき神』をはじめとするみごとな彫刻群がある。なお、この聖堂は1981年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[名取四郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミアン大聖堂」の意味・わかりやすい解説

アミアン大聖堂
アミアンだいせいどう
La Cathédrale Notre-Dame, Amiens

フランス,ソンム県の県都アミアンにある,ゴシック盛期の典型的な大聖堂。 1220年着工。身廊部は 1236年,ファサードは 1269年,アプスは 1270年,両翼部の礼拝堂は 1375年,北側の塔は 14世紀,南側の塔は 15世紀初めに竣工尖塔は 1529年再建。建築家は,ロベール・ド・リュザルシュ,T.コルモンとその息子ルノー。 19世紀にビオレ=ル=デュクにより修復された。東西 145m,南北 70m。身廊部の高さ 42.3m。ファサード中央の門はキリスト,右はマリア,左はアミアン最初の司教聖フィルマンに捧げられ,それぞれこの期の彫刻の傑作がみられる。身廊部は,クリアストーリー,同じく外壁に窓をもつトリフォリウムアーケードの3層構成をとり,垂直に向かう動きと水平方向の構成との調和が実現されている。 1981年世界遺産の文化遺産に登録。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android