アルカリ性食品(読み)あるかりせいしょくひん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルカリ性食品」の意味・わかりやすい解説

アルカリ性食品
あるかりせいしょくひん

食品に含まれている無機質のうち、カリウムカルシウムマグネシウムナトリウムなどアルカリをつくるものが、リン硫黄(いおう)、塩素など酸をつくるものよりも多い食品をいう。これに対して酸をつくる無機質の多いものを酸性食品という。測定法は、一定量の食品を焼いて得た灰分を水に溶かし、これを中和させるのに必要な酸の量をみるか、灰分中の元素分析を行い、両群の元素のミリグラム当量の差から算出する。一般に、カリウムやカルシウムの多い野菜、果実海藻キノコ、いもなどがこれに入る。体液水素イオン濃度指数pH)7.4に維持されていることから、アルカリ性食品が健康によいといわれたが、体の機能はつねに一定のアルカリ度を保っているので、摂取する食品によって影響は受けない。

河野友美・山口米子]

『山口迪夫著、国民栄養振興会・日本栄養士会栄養指導研究所編『アルカリ性食品・酸性食品の誤り』(1987・第一出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルカリ性食品」の意味・わかりやすい解説

アルカリ性食品
アルカリせいしょくひん

体内で塩基 (アルカリ性を与える) を生じる無機質が多い食品をいう。食品のアルカリ性の度合いは,食品 100gを焼いて得られた灰分を中和するに要する規定酸液の cc数で表わされる。牛乳,野菜,果実類,芋類はアルカリ性残基を残すのでアルカリ性食品である。果実のうち柑橘類は酸味が強く,実際にクエン酸が存在するが,これは体内で完全に酸化燃焼して最後には二酸化炭素になるので,体内の無機質の反応には関係ない。また一般に酒類酸性食品であるが,ワインは酒類のなかでは唯一のアルカリ性食品である。人間の血液は常に一定の pHに保たれており,すぐに酸性になったり,アルカリ性になったりするわけではないが,アルカリ性食品を適度に食べることは栄養のバランス上よいと考えられる。

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