アンジェ(読み)あんじぇ(英語表記)Angers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンジェ」の意味・わかりやすい解説

アンジェ
Angers

フランス西部,メーヌエロアール県の県都ロアール川の支流メーヌ川にのぞむ。アンジュー地方の文化,経済の中心都市。初めケルト人の一族アンデカブの中心集落であったが,カエサルに征服されてローマ領となり,9世紀末からはアンジュー家領,13世紀初頭には国王フィリップ2世によってアパナージュ (国王親族封) とされ,1481年に国王直轄領となった。フランス革命時にはバンデーの反乱の根拠地の一つとなり (1793) ,第2次世界大戦では甚大な戦禍を受けた。現在は電機,電子,機械,繊維,食品,写真などの工業が立地するほか,周辺の農産物,ワインの集散地でもあり,観光地としても有名。中世城塞の代表として知られるアンジェ城 (1228~38。高さ 40~60mの塔 17を備える) ,2つの高い尖塔をもつ聖モーリス大聖堂 (12~13世紀) ,聖ジャン施療院 (12世紀) など往時繁栄を物語る建築物が多い。人口 14万8405(2008)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンジェ」の意味・わかりやすい解説

アンジェ
あんじぇ
Angers

フランス西部、メーヌ・エ・ロアール県の県都。人口市域15万1279、大都市域22万6843(1999)、市域15万1520、大都市域22万5978(2015センサス)。パリ南西296キロメートル、メーヌ川の河港にあり、ノルマンディーブルターニュポアトゥーなどの諸地方を結び付ける交通の要衝で、地方商業の中心地である。金属工業電子工業、ぶどう酒製造などが行われる。12~13世紀の大聖堂と、17の塔と城壁で囲まれた城は多くの観光客を集めている。控訴院、美術学校、工科学校がある。

[高橋伸夫]

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