アンティグア(読み)あんてぃぐあ(英語表記)Antigua

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンティグア」の意味・わかりやすい解説

アンティグア
Antigua

別称アンティグアグアテマラ Antigua Guatemala。グアテマラ南部の都市。サカテペケス県の県都。首都グアテマラ市の西南西約 20kmの中央高地にあり,標高約 1500m。スペイン植民地時代にはグアテマラ総督領の首都で,副王政庁の置かれたメキシコシティーとリマの中間に位置する重要な都市であった。 1527年現在のシウダードビエハの地にサンチアゴデロスカバイェロス Santiago de los Caballerosとして建設されたが,アグア火山噴火により破壊されたため,1542年北東方の現在地に新たに首都として建設された。しかしこの町も 1773年地震で大破,首都はさらに北東に移されグアテマラ市と呼ばれ,この旧首都はアンティグアカピタル (スペイン語で「古い首都」の意) あるいは単にアンティグアとして知られるようになった。現在のアンティグアはおもに植民地時代の建築物の遺構で有名で,市内いたるところに古い修道院や聖堂などの跡があり,政庁舎や個人の邸宅など再建されたものも多い。植民地時代の歴史博物館の観を呈する市街は,1979年世界遺産文化遺産に登録。気候にも恵まれ,火山に囲まれた風光明美な地にあることから,グアテマラ有数の観光保養地となっており,また首都の郊外住宅地としても発展している。人口2万 715 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンティグア」の意味・わかりやすい解説

アンティグア
あんてぃぐあ
Antigua

中央アメリカ、グアテマラ中南部の古都正称はアンティグア・グアテマラAntigua Guatemara。人口1万6357(1994)。首都グアテマラ市の南西24キロメートル、アグア火山山麓(さんろく)の標高1500メートルに位置する。1979年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。スペイン植民地時代の首都であったが、1773年の大地震で壊滅したため、1776年グアテマラ市に首都を移した。総督府、大寺院など当時の廃墟(はいきょ)が残っている。現在は周辺のコーヒー栽培地域の中心地となっている。

[栗原尚子]

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