日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモニウムミョウバン」の意味・わかりやすい解説
アンモニウムミョウバン
あんもにうむみょうばん
ammonium alum
ミョウバンの一つで、普通のミョウバンKA1(SO4)2・12H2Oのカリウムをアンモニウムにかえたもの。無色の正八面体結晶。アルミニウムイオンのかわりに鉄(Ⅲ)イオンの入ったものをアンモニウム鉄ミョウバンといい、その他のクロム、コバルト、マンガンなどの入ったミョウバンをも含めてアンモニウムミョウバンということもある。熱すると融解するが、さらに熱すると120℃で水を失い、200℃では無水和物になり、高温では分解して酸化アルミニウムとなる。水溶液中では加水分解して酸性を示す。アルミニウム製造の際の中間体として得られ、染色用の媒染剤、製紙用、医薬品などとして用いられる。
[中原勝儼]