室温付近においてイオンだけから構成されている液体.塩化ナトリウム(融点801 ℃)のような簡単な陽イオンと陰イオンからなる系は高温でなければ液体(溶融塩)にならないが,複雑な構造をもつ有機化合物の陽イオンと適当な陰イオンからなる系が,室温において安定な液体として存在することが最近多数発見され,その特殊な物性から爆発的に研究が進展している.現在,その主役になっているのは不均等な二つのアルキル基をもつイミダゾリウム塩である.図に代表的なエチルメチルイミダゾリウム塩を示す.

陰イオン X- として Br- を用いると塩は固体結晶になるが,BF4-,PF6-,(CF3SO2)2N-などの陰イオンでは液体になる.最後の複雑な陰イオンとの組合せでは,水を加えてもイオン液体相と水相とに分離して水相に溶け出すことはない.また,陽イオンとして1-ブチル-3-メチル-イミダゾリウムカチオン,陰イオンとして塩化鉄(Ⅲ)イオンを用いると,磁石に引きつけられる液体になることが示されている.
このように,液体としてはいままで見られなかった物性が観測され,二次電池の不揮発性電解液としての可能性や,水,有機溶媒につぐ第三の溶媒としての実用性の研究が進められている.アルキル基をもつイミダゾリウム塩では,その構造からわかるように,側鎖にいろいろな置換基を加えることができる.たとえば,各種のアミノ酸を結合させたイオン液体もつくられている.また,これまでタンパク質の物性は,有機溶媒中では変性を起こしてしまって研究できなかったが,イオン液体溶液として研究できる可能性もある.アメリカには,急増するイオン液体の情報に対応してデータベース(http://ilthermo.boulder.nist.gov)がつくられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...
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