クロラール(読み)くろらーる(英語表記)chloral

翻訳|chloral

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロラール」の意味・わかりやすい解説

クロラール
くろらーる
chloral

脂肪族アルデヒド一つ。正式にはトリクロロエタナールというが、トリクロロアセトアルデヒドともいう。刺激臭のある無色油状液体エタノール塩素を作用させて合成する。当量の水と反応して抱水クロラールCCl3CH(OH)2を生成する。抱水クロラール融点51.6℃、沸点96~98℃の無色板状晶。クロラールはエタノールと反応してクロラールエチラートとなる。抱水クロラールと濃硫酸を振り混ぜ、油層を分離し、蒸留するとクロラールが容易に得られる。催眠作用がある。

[谷利陸平]


クロラール(データノート)
くろらーるでーたのーと

クロラール
分子式C2HCl3O
分子量147.4
融点-57.5℃
沸点97.83℃
比重1.512(測定温度20℃)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロラール」の意味・わかりやすい解説

クロラール
chloral

トリクロロアセトアルデヒドともいう。抱水クロラールに濃硫酸を加えて蒸留すると得られる刺激臭のある無色の液体。融点-57.5℃,沸点 97.83℃。催眠剤。麻酔法の開発期に用いられた。クロロベンゼンとともに DDT原料としても用いられた。

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