イタリア紀行(読み)イタリアきこう(英語表記)Italienische Reise

精選版 日本国語大辞典 「イタリア紀行」の意味・読み・例文・類語

イタリアきこう‥キカウ【イタリア紀行】

  1. ( 原題[ドイツ語] Italienische Reise ) ゲーテイタリア旅行記。一八一六~二九年刊。「詩と真実」に次ぐ自伝的な記録

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イタリア紀行」の意味・わかりやすい解説

イタリア紀行
いたりあきこう
Italienische Reise

ドイツ詩人ゲーテの旅行記。1829年刊行。1786年から88年にかけてのイタリア旅行の途次故国の友人たちに寄せた書簡日記に手を加えてまとめたもので、『詩と真実』に続く自伝的作品ワイマールでの10年に及ぶ宮廷生活は、多端な政務のため詩人としての彼の活動を逼塞(ひっそく)させ、またシュタイン夫人への精神的な愛はしだいに重苦しさを加え、ついに86年9月、だれにも告げずにイタリアへ遁走(とんそう)した。芸術的にも人間的にも均整調和を求める古典主義への志向が、あこがれの地イタリアの芸術と人と自然に触れて成熟し、ゲーテが詩人として再生する過程が生き生きと叙述されている。

小栗 浩]

『相良守峯訳『伊太利紀行』全3冊(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イタリア紀行」の意味・わかりやすい解説

イタリア紀行
イタリアきこう
Italienische Reise

ドイツの詩人,作家ゲーテの旅行記。 1816~29年刊。待望のイタリア旅行 (1786~88) ののち 28年を経て書きはじめたもので,当時の書簡や日記などを材料にして,イタリアで触れた古代美術や自然,宗教,人々の生活についての鋭い観察を通して,自身の心の形成を記録した作品。

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世界大百科事典(旧版)内のイタリア紀行の言及

【変装】より

… さて,女装・男装の例としてよく引かれ,また親しまれているもののひとつは,カーニバルにおけるそれであろう。たとえばゲーテも,その著《イタリア紀行》(正確には《第2次ローマ滞在》の巻)で,〈若い男は最下層の女が着るような晴着を身にまとい,胸もあらわな格好で,恥ずかし気もなく得意満面で,たいていまっさきにあらわれる。彼らは行き会う男たちに甘え,……〉と,1788年1月のローマのカーニバルのようすを生き生きと描写している。…

※「イタリア紀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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