デジタル大辞泉 「いみじ」の意味・読み・例文・類語
いみ・じ
1 下にくる被修飾語の程度が並々でないさまを表す。はなはだしい。著しい。
「―・じく静かに公に御文奉り給ふ」〈竹取〉
「―・じき色好みを、かくあからめさせ奉らぬこと」〈宇津保・俊蔭〉
2 被修飾語に当たる具体的内容が省略され、文脈から補わなければならない場合。
㋐(望ましいものについて)たいそうすばらしい。たいそううれしい。すぐれている。
「―・じからむ(=ウレシイトイウヨウナ)心地もせず、悲しくのみある」〈竹取〉
「―・じき(=スグレタ)絵師といへども筆限りありければ」〈源・桐壺〉
㋑(望ましくないものについて)たいそうつらい。ひどく悲しい。すさまじい。ものすごい。
「世の中に―・じき(=悲シイ)目見給ひぬべからむ時」〈宇津保・俊蔭〉
「右近は…泣きまどふさまいと―・じ(=ヒドイモノダ)」〈源・夕顔〉
[補説]上代語にはなく、中古の和文に多く用いられる。また、漢文訓読語では「はなはだ」「きわめて」が用いられ、「いみじ」の使用はない。