インディペンデント(読み)いんでぃぺんでんと(英語表記)The Independent

デジタル大辞泉 「インディペンデント」の意味・読み・例文・類語

インディペンデント(The Independent)

イギリスにあった日刊高級紙一つ。1986年創刊と新しく、既存メディアを含むあらゆる勢力からの独立(インディペンデント)をかかげた。約17万部を発行(2011年)していたが、2016年3月にデジタル版を残して廃刊

インディペンデント(independent)

《「インデペンデント」とも》
独立したもの。自立したもの。
独立系石油会社原油採掘精製加工などの一部門だけを行う石油会社。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「インディペンデント」の意味・わかりやすい解説

インディペンデント
いんでぃぺんでんと
The Independent

イギリスの高級朝刊紙。1986年の創刊で、『タイムズ』『ガーディアン』『デーリー・テレグラフ』の「ビッグ・スリー」が固めていた高級紙マーケットへの131年ぶりの新規参入として、当時大きな注目を集めた。『デーリー・テレグラフ』の記者だったアンドレアス・ウィッタム・スミスAndreas Whittam Smith(1937― )、スティーブン・グローバーStephen Glover(1952― )、マシュー・サイモンズMatthew Symonds(1953― )の3人が創刊の中心であった。リベラル中道の編集路線で読者をひきつけようとしていた。海外・国内ニュース、レジャー、芸術などのページは好意的に受け止められ、既存の高級紙の若くリベラルな男性読者が『インディペンデント』に乗り換えたといわれる。創刊の年の部数は27万部ほどだったが、1989年、1990年には41万部にまで伸びた。しかし、同紙の参入によって厳しい高級紙マーケットに報道、紙面デザイン、値引きなどの競争の火がつき、一段せり上がった競争環境のなかで徐々に部数が減り、財政的にも逼迫(ひっぱく)していった。1990年代は、『インディペンデント』にとって、経営と財政の苦境が深まった時代で、所有者が次々とかわり、厳しいリストラが実施された。その苦境のさなかの1995年、創業者の一人スミスが社を去り、1998年にはアイルランドのメディア企業インディペンデント・ニューズ・アンド・メディア社(INM)が支配権を握った。INMは2010年に同紙をアレグサンダーAlexanderとエフゲニーEvgenyのレベデフLebedev父子の経営する会社(インディペンデント印刷会社)に売り渡した。発行部数は、2000年には22万部だったのが、2011年時点では18万部に減少している。

[橋本 直]

『マイケル・クロージャー著、川上宏・岩崎千恵子訳『創刊――インディペンデント紙の挑戦』(1991・サイマル出版会)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インディペンデント」の意味・わかりやすい解説

インディペンデント
independent

独立系石油会社。もとは 1920年代のアメリカ合衆国で大手石油会社の支配力から独立して事業を営む石油会社の意味で用いられた。国際石油資本(メジャーズ)による寡占体制が成立してからは,メジャーズ 8社以外の石油会社の総称として使用された。また,特にアメリカの上位 50位内の中堅石油会社をさすこともある。おもな企業に,オクシデンタル・ペトロリアム,マラソンオイル,アナダルコ,アパッチなどがある。近年はインディペンデントのなかにも事業規模がメジャーズ並みになってきたものもあり,準メジャーズなどと呼ばれることもある。

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世界大百科事典(旧版)内のインディペンデントの言及

【石油産業】より

… なお1950年代には原油価格に下降圧力を加える二つの構造変化があった。一つは,中東産油国において原油生産量が着実に増加したこと,もう一つは,独立系石油会社(インディペンデント)が国際石油産業に新規参入してきたことである。
[OPECの設立]
 石油会社によって産油国に支払われる所得税の算定基準になった〈公示価格〉が,1959年と60年に相次いで石油会社によって引き下げられた。…

※「インディペンデント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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