イーブリン(読み)いーぶりん(英語表記)John Evelyn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イーブリン」の意味・わかりやすい解説

イーブリン
Evelyn, John

[生]1620.10.31. サリー,ウォットン
[没]1706.2.21. サリー,ウォットン
イギリスの政治家,文学者。財産家に生れ,ミドル・テンプル法学院,オックスフォード大学に学ぶ。 1641年ヨーロッパ大陸を旅行,帰国後政府の役職につき,ロイヤル・ソサエティ役員もつとめた。『彫刻論』 Sculptura (1662) ,『林学研究』 Sylva (64) などの著書があり,フランスの建築書,造園書を翻訳し,外国種の樹木を移入したりした。今日彼が記憶されるのは,その『日記』 (1818刊) による。これは 31~1706年にわたり,当時のイギリスやヨーロッパ諸国の事情についての興味深い見聞,同時代人の性格や行動の鋭い観察を含み,貴重な資料を提供するもの。ほかにロンドン大気汚染とその対策を論じた『煤煙対策論』 Fumifugium (1661) がある。

イーブリン
Evelyn, Judith

[生]1913.3.20. サウスダコタセネカ
[没]1967.5.7. ニューヨーク
アメリカの女優15歳初舞台を踏み,代表作にサスペンス劇『ガス燈』 Angel Street (1941) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーブリン」の意味・わかりやすい解説

イーブリン
いーぶりん
John Evelyn
(1620―1706)

イギリスの文人、イギリス学士院会員。その日記は、ピープスと並ぶ日記文学双璧(そうへき)。チャールズ2世に重用され、隠退後は多彩な趣味に生きた。『煙の追放』(1661)は、ロンドンの煙を追放するための試案で、古銭学、造園、彫刻、貿易などにも優れた観察を示した。『日記』(1818没後刊)は、少年時代に暦の空所にメモをした習慣から生まれ、1640年から1706年までの詳細な記録である。

[樋渡雅弘]

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