日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィルヘルミナ」の意味・わかりやすい解説
ウィルヘルミナ
うぃるへるみな
Wilhelmina Helena Pauline Maria
(1880―1962)
オランダ女王(在位1890~1948)。1890年父ウィレム3世の没後王位を継承。母エンマの摂政下に置かれたが、98年アムステルダムの教会で即位式をあげた。1901年メクレンブルク・シュウェーリン公ハインリヒと結婚、09年に王女ユリアナを出産。立憲君主制のもとで議会を尊重したが、女王の影響力もけっして小さくなく、第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)まで中立政策を堅持、国内的には広範な社会改革に着手した。40~45年、ドイツの侵入によりロンドンに亡命政権を樹立、ドイツへの抵抗とオランダの自由を説き、オランダ解放後、熱狂的に祖国へ迎えられた。48年ユリアナに位を譲り退位。回想録がある。
[藤川 徹]