ドイツ、ライン川畔のウォルムス市にある大聖堂。シュパイエルやマインツの大聖堂と並んで12~13世紀に造営された。建築様式にはライン川上流地域における後期ロマネスクとフランス・ゴシックの交錯が認められる。そのプランは二重内陣式で東西に八角形の内陣が設けられるという相称的形態をみせる。そして身廊のベイ(柱間)1区画が側廊のそれの2区画に対応し、双方とも交差穹窿(きゅうりゅう)が架せられている。また内部に階段のある双塔が東西のアプスにそれぞれ建てられ、身廊と翼廊との交差部には尖頭(せんとう)形の屋根をもつ、低い八角塔がのせられている。側廊に設けられた入口はドイツとイギリスにおいてのみみられるもので、側面の壁体には平坦(へいたん)で細長い片蓋柱(かたぶたばしら)と交互に半円アーチ形の窓が開けられ、東側アプスには中世ドイツの典型的象徴であるデモンの浮彫りがみられる。なお身廊がフランス式のリブ穹窿であるのに対し、側廊はこの地方の伝統的な(リブを用いない)穹窿である点など、内部の建築的な不調和は否定できない。
[濱谷勝也]
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…第2次大戦の被害も大きかった。ウォルムス大聖堂は,シュパイヤー,マインツの大聖堂とともに,ドイツ後期ロマネスク様式の代表例。東西両端にアプスのある二重内陣式で,6基の塔を頂く。…
※「ウォルムス大聖堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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