うお座(読み)うおざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「うお座」の意味・わかりやすい解説

うお座
うおざ / 魚座

秋の南の空高くに見える星座。黄道十二星座の一つで双魚宮ペガスス座の四辺形の南東寄りに接して「く」の字を強く押しつぶしたような形に、4等級の星が点々と連なる。「北の魚」と「西の魚」の2匹の魚がリボンのような帯で結ばれ、その折れ目のところにα(アルファ)星がある。ギリシア神話ではこの2匹の魚は、愛と美の女神アフロディテとその子エロス化身とされている。赤道座標原点になる赤経0時、赤緯0度の春分点が「西の魚」の尾の近くω(オメガ)星の南にあり、春分の日の太陽はここに位置する。春分点は歳差のため毎年、角度にして約50秒ずつ西へ移動しているため、かつてはおひつじ座にあり、約650年後にはうお座からみずがめ座へ移る。

[藤井 旭]

『林完次著『星座「秋」』(1987・保育社)』


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改訂新版 世界大百科事典 「うお座」の意味・わかりやすい解説

うお(魚)座 (うおざ)
Pisces

略号Psc。黄道星座の一つ。現在春分点がこの星座にある。星座は2尾の魚が紐で結ばれた形になり,ギリシア神話では女神アフロディテとその子エロスとが河畔を散歩しているとき,怪物テュフォンが出現して,のがれて川の中にとびこんで魚になった姿という。α星はリシャアラビア語結び目の意)と呼ばれ,4.2等と5.1等の二つの星が周期720年でまわりあっている連星である。概略位置は赤経0h20m,赤緯-58°。午後8時の南中11月下旬である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「うお座」の意味・わかりやすい解説

うお座
うおざ
Pisces

魚座。赤道北側の星座。概略位置は赤経 0時20分,赤緯 10°。黄道十二宮の 12番目。11月の宵に南中する。地球歳差運動のため,現在の春分点はうお座のω星近くにあり,赤経 0時にあたる。

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百科事典マイペディア 「うお座」の意味・わかりやすい解説

うお(魚)座【うおざ】

11月下旬の夕方,南の中天高く見える星座。十二宮のうちの第12宮。現在春分点が存在する。

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世界大百科事典(旧版)内のうお座の言及

【星】より

… またギリシア神話の星座の起源譚の中には,しばしばオリエントの神話がとり入れられている。たとえばうお座の起源は,怪物の王テュフォンを恐れ,神々がそれぞれ動物に姿を変えて姿を隠したときに,美の女神アフロディテは,息子の愛の神エロスとともにユーフラテス川に飛びこみ,魚たちにかくまってもらった。そこでその魚たちが,その功績によって星にされたと物語られている。…

※「うお座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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