日本大百科全書(ニッポニカ) 「うお座」の意味・わかりやすい解説
うお座
うおざ / 魚座
秋の南の空高くに見える星座。黄道十二星座の一つで双魚宮。ペガスス座の四辺形の南東寄りに接して「く」の字を強く押しつぶしたような形に、4等級の星が点々と連なる。「北の魚」と「西の魚」の2匹の魚がリボンのような帯で結ばれ、その折れ目のところにα(アルファ)星がある。ギリシア神話ではこの2匹の魚は、愛と美の女神アフロディテとその子エロスの化身とされている。赤道座標の原点になる赤経0時、赤緯0度の春分点が「西の魚」の尾の近くω(オメガ)星の南にあり、春分の日の太陽はここに位置する。春分点は歳差のため毎年、角度にして約50秒ずつ西へ移動しているため、かつてはおひつじ座にあり、約650年後にはうお座からみずがめ座へ移る。
[藤井 旭]
『林完次著『星座「秋」』(1987・保育社)』