ハリギリ(読み)はりぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリギリ」の意味・わかりやすい解説

ハリギリ
はりぎり / 針桐
[学] Kalopanax septemlobus (Thunb.) Koidz.
Kalopanax pictus (Thunb.) Nakai

ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の落葉高木。高さ25メートル、胸高の直径は1メートルに達する。幹は褐色、枝は灰色を帯び、普通は鋭い刺(とげ)がある。葉は円形で、掌状に浅く5~9裂し、大形で直径10~30センチメートル。長さ7~30センチメートルの葉柄がある。7~8月、枝の先から出た大形の花序に、淡黄緑色の花を開く。核果は球形で径約4ミリメートル、黒く熟す。北海道から九州、朝鮮半島、中国、千島列島樺太(からふと)(サハリン)に分布し、山地に生える。材は器具や下駄(げた)に用いる。葉がキリに似ており刺があるのでハリギリの名がある。別名センノキ(線木)ともいう。ハリギリ属は東アジア特産で、ハリギリ1種からなる。

[門田裕一 2021年11月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリギリ」の意味・わかりやすい解説

ハリギリ(針桐)
ハリギリ
Kalopanax pictus

ウコギ科の落葉高木で,センノキまたはヤマギリともいう。日本各地の山地に生える。幹は直立し,高さ 25mに達する。木の肌に縦にあらい裂け目があり暗褐色をしている。枝は太く多数のとげがあり,5~9片に浅裂した掌状葉が枝先に集って互生する。初夏に,枝先に花軸を数本出し,散形花序をなして多数の黄緑色の小花をつける。材は下駄,家具材などに用いられる。

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