日本大百科全書(ニッポニカ) 「タラノキ」の意味・わかりやすい解説
タラノキ
たらのき
[学] Aralia elata (Miq.) Seem.
ウコギ科(APG分類:ウコギ科)の落葉低木。高さ4メートルほどになり、幹は黄褐色で直立してあまり分枝せず、鋭い刺(とげ)がある。葉は大形の2回羽状複葉で、枝の先に集まり、長さ0.5~1メートル。小葉は5~9枚の羽片からなり、羽片は長さ5~12センチメートルで無毛。花は8月、大形の円錐(えんすい)花序につき、白色。果実は球形の核果で径約3ミリメートル、黒く熟す。北海道から九州および朝鮮半島、中国、シベリアに分布し、山野に普通に生える。タラノキの語源は不明。刺がないかあるいは少なく、葉の裏に毛のあるものをメダラとよんで区別することもある。若芽は山菜として食用とする。タラノキ属は70種あり、アジア、オーストラリア、北アメリカに分布する。
[門田裕一 2021年11月17日]