日本のエネルギー政策の基本方針を定めた法律。2002年(平成14)議員立法により成立した(平成14年法律第71号)。エネルギーの安定確保・供給や地球温暖化防止の意義を強調し、太陽光や風力など化石燃料以外のエネルギー利用の促進を、理念としてうたっている。自由化など競争政策については「市場原理の活用は安定供給、環境に十分配慮しつつ進める」としている。向こう10年程度のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画の策定を義務づけている。
日本のエネルギー政策は、新エネルギー、省エネルギー、原子力発電などを縦割りの行政組織が個別に対応してきた。エネルギー政策基本法は、複数省庁にまたがるエネルギー政策の根幹となる哲学を示したものといえる。もともとは、原子力発電や核燃料サイクル推進を国策として明確に位置づけてほしいという電力業界の要望を受け、自民党が立法化準備に入った。しかし、たび重なる原発事故を踏まえ、野党との修正協議で法律に「原発推進」の表現は入らなかった。
本法に基づき、2003年に政府は水素エネルギー社会の実現などを盛り込んだ初のエネルギー基本計画を策定。その後2007年には、資源価格の高騰などエネルギー環境の変化を踏まえて計画を改定し、原子力発電の推進や政府が資源外交に積極的に取り組む姿勢を打ち出した。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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