日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルズワース・ランド」の意味・わかりやすい解説
エルズワース・ランド
えるずわーすらんど
Ellsworth Land
南極半島基部の南緯75度30分、西経80度を中心とした、氷に覆われた高さ約1000メートルの地域。1935年末、アメリカのリンカーン・エルズワースがこの上空を飛び、彼の父の名をとってジェームズ・エルズワース・ランドと命名したが、62年にアメリカの南極地名委員会は、エルズワースの南極横断飛行を記念して彼の名をつけた。大部分は氷床であるが、エルズワース山地をはじめ数個の山脈が点在している。アメリカ隊が60年ごろから内陸部の調査をし、63~65年この東部にエイツ基地を設けた。近年はサイプル基地(南緯76度、西経84度)で夏期に超高層物理の観測をしている。
[楠 宏]