ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーレンシュレーガー」の意味・わかりやすい解説
エーレンシュレーガー
Oehlenschläger, Adam Gottlob
[没]1850.1.20. コペンハーゲン
デンマークの詩人,劇作家。オルガン奏者の父が城代をつとめるフレデリクベア城で育った。コペンハーゲン大学在学中,ドイツ帰りの H.ステフェンスが教授として着任,彼からドイツ・ロマン主義の洗礼を受け,北欧ロマン主義文学の第一声となった『黄金の角杯』 Guldhornene (1802) を書いた。以後『北欧詩集』 Nordiske Digte (07) をはじめとする北欧の神話伝説に取材した多くの詩や,アラビアン・ナイトに取材した詩劇『アラディン』 Aladdin (05) ,ドイツ語で書いた芸術家の悲劇『コレッジオ』 Correggio (11) などを次々と発表,その華麗奔放で多産な活動は北欧文壇に大きな刺激を与え,「スカンジナビアの詩王」とたたえられた。 1805~07年に大陸諸国を歴訪,ゲーテらとも交わった。帰国後は次第に初期のロマン的精神が沈静して牧歌的な古典主義に近づき,作品の数も少くなったが,コペンハーゲン大学の美学教授,次いで学長もつとめ,全国民の敬愛を受けて栄光のうちに生涯を閉じた。
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