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おかし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

おかし

日本文学における美的理念の一つ。「をかし」と表記した。古語。本来「をこ」からきていて,不調和の美であるが,平安時代には,中心的な美的理念「あはれ (→あわれ ) 」に同化されて,調和美となり,優美に近くなった。しかし,「あはれ」の哀感美に対し,観照の美であり,感覚美であり,趣向の美でもあり,明朗美の性質も有する。作品でいえば,『源氏物語』が「あはれ」中心であるのに対し,『枕草子』は「をかし」を中心とし,さまざまな事物に対する批評の言葉にも「をかし」が多数用いられているだけでなく,「世の中のをかしき事」を選び出して記すと作者自身が述べている。平安~鎌倉時代に盛んに行われた歌合の判詞や歌論においても,「をかし」は王朝的ななかに理知的,趣向的面をもつ美を表わす語として用いられている。時代が下るにつれて,「をかし」の意味は変化し,室町時代世阿弥の能楽論では,狂言方の滑稽を主とする芸や役者そのものをも「をかし」と呼んでいる。江戸時代になると,俳諧の一部や,川柳,狂歌滑稽本などに,近世的な卑俗美としての「をかし」が独立のものとして現れるにいたった。

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デジタル大辞泉の解説

おかし〔をかし〕

平安時代、「もののあわれ」と並ぶ美的理念の一。枕草子の主調美で、知的興味をそそられる感覚的、直観的な明るい情趣。室町時代以降は、こっけいの意で用いられ、狂言・俳諧・狂歌などの笑いの文学の底流となる。→おかしい

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