カスター(読み)かすたー(英語表記)George Armstrong Custer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カスター」の意味・わかりやすい解説

カスター
Custer, George Armstrong

[生]1839.12.5. オハイオ,ニューラムリー
[没]1876.6.25. モンタナ,リトルビッグホーン
アメリカの軍人南北戦争末期に南軍司令官 R.リー将軍を追撃して戦功をあげ,戦後平原インディアンの掃討戦に参加。カンザスで連邦第7騎兵隊に配属され,1868年 11月シャイアン族族長 B.ケトルを奇襲し壊滅させた。 74年からブラックヒルズ金鉱目がけて白人が殺到しシャイアン族スー族の狩猟地を荒したため,険悪な情勢となった。カスター中佐は A.テリー将軍の指揮のもとで,シッティング・ブル指揮下のインディアン軍を挟撃する2つの部隊の一方の指揮をとり,76年6月 25日,テリー将軍の到着を待たずに,リトルビッグホーン付近のインディアン野営地を攻撃したが,逆に包囲され 250人あまりの部下全員とともに戦死した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カスター」の意味・わかりやすい解説

カスター
かすたー
George Armstrong Custer
(1839―1876)

アメリカの軍人。西部開拓時代、アメリカ・インディアン連合軍に包囲されて全滅した第七騎兵隊の指揮官として著名。オハイオ州出身。1861年ウェストポイント陸軍士官学校卒業後、南北戦争において北軍側に従軍し、戦功著しく、義勇軍の少将にまで特別昇進。戦後、第七騎兵隊の中佐として西部各地の砦(とりで)の守備にあたる。75年、ブラックヒルズの金鉱発見をきっかけに第二次スー戦争が勃発(ぼっぱつ)。テリーAlfred Howe Terry(1827―90)将軍率いるインディアン討伐軍に加わったカスターは、76年6月25日、現在のモンタナ州にあるリトル・ビッグホーン川でスーとシャイアンの連合軍に遭遇し、これに無謀な攻撃をしかけたため、逆にシティング・ブルとクレイジー・ホースの率いるインディアン連合軍に包囲されて、264人の部下全員とともに戦死した。

平野 孝]

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