カプサンチン

食の医学館 「カプサンチン」の解説

カプサンチン

 ピーマンには緑ピーマンのほかに赤ピーマン、黄ピーマンなどがあります。赤ピーマンは緑ピーマンが完熟したもので、黄ピーマンは品種が異なり、その色からバナナピーマンとも呼ばれています。
 赤ピーマンの赤色色素は「カプサンチン」という成分で、緑色色素クロロフィルが日光によって分解されることで生成されるものです。
 このカプサンチンには、カロテン以上の高い抗酸化作用があり、善玉コレステロール(HDL)、悪玉コレステロール(LDL)の両方の酸化を防ぐので、生活習慣病予防に役立ちます。また、血液中のHDLの比率を高めるので、余分なコレステロール排泄(はいせつ)する作用もあります。
 一方、黄ピーマンは赤ピーマンには届きませんが、100g中ビタミンCが150mg、ビタミンE2.4mgと緑ピーマンよりも多く含んでいます。肉厚で甘みがあるので、生でも食べやすい点が魅力です。
 そして、新野菜として注目されているピーマンの仲間が「トマピー」です。これは見た目がトマトのような形をした赤色のピーマンです。赤ピーマン同様、カプサンチンを多く含むので、高い抗酸化作用をもっています。栄養成分的には100g中カロテンを1900μg、ビタミンCを200mg、Eを4.3mg含んでいます。日常的に取り入れて、ビタミン補給に役立てたい食品の1つといえます。

出典 小学館食の医学館について 情報

化学辞典 第2版 「カプサンチン」の解説

カプサンチン
カプサンチン
capsanthin

C40H56O3(584.85).カロテノイド一つ.ナス科トウガラシCapsicum annuum果実に含まれるほか,数種類の植物に見いだされている.トウガラシの果皮の乾燥粉末を石油エーテル抽出,けん化,クロマトグラフィーにより精製する.深赤色の柱状結晶.融点176 ℃.λmax 505,475 nm(石油ベンジン).ベンゼンエタノールなどに可溶,石油エーテルに難溶.食品の着色料に用いられる.[CAS 465-42-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「カプサンチン」の解説

カプサンチン【capsanthin】

緑黄色野菜に含まれる天然色素カロテノイド一種唐辛子に含まれる辛味成分。中枢神経を刺激してホルモンの分泌を促し、エネルギー代謝を活性化させて脂肪分解を促進する働きをもつほか、唾液・胃液の分泌を促進して食欲増進効果、胃腸内の殺菌作用、免疫力強化、疲労回復、風邪予防、健胃作用、肩こり・冷え症の改善などに効果が期待できる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

栄養・生化学辞典 「カプサンチン」の解説

カプサンチン

 C40H56O3 (mw584.89).

 カロテノイド色素の一つで,トウガラシの赤い色素.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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