ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カロル1世」の意味・わかりやすい解説
カロル1世
カロルいっせい
Carol I von Hohenzollern-Sigmaringen
[没]1914.10.10. シナヤ
ルーマニア王国初代の王 (在位 1881~1914) 。ドイツのホーエンツォレルン=ジークマリンゲン家の出身。プロシア軍に任官。従兄のナポレオン3世の仲介で,1866年ルーマニア公となり,81年ルーマニア王国の成立に伴い初代国王に即位,内政改革,軍備拡張,産業振興に努力。しかし農民問題の解決を怠り,1907年の大反乱を招いた。初め親ドイツ的傾向のため不人気であったが,ルーマニアの国際的地位の向上,特にオスマン帝国からの独立に外交的手腕を発揮して支持を集めた。自由党と保守党に交互に政権を担当させ,巧みに内政を操縦したが,結果として責任内閣制の成立を遅らせることになった。
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