ガスマン(英語表記)Gassmann, Vittorio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガスマン」の意味・わかりやすい解説

ガスマン
Gassmann, Vittorio

[生]1922.9.1. ジェノバ
[没]2000.6.29. ローマ
イタリアの俳優。 1943年国立演劇アカデミー卒業。『乞食オペラ』で成功を収め,古典から A.ミラーの『みんなわが子』や T.ウィリアムズの『欲望という名の電車』にいたる広い芸域で活躍。 1950年イタリア人民劇場を結成。フィレンツェボボリ庭園における『トロイラスとクレシダ』,アルフィエリの『オレステ』の上演は高く評価された。シェークスピアなどのレパートリーのほか,ギリシア古典悲劇の復活上演にも力を入れた。また,映画でも活躍し,48年の『にがい米』以降『マンボ』 (53) ,『戦争と平和』 (56) ,『追い越し野郎』 (63) などに出演,75年の『女の香り』ではカンヌ映画祭主演男優賞を受賞。以後も幅広い役柄をこなし,国際的に活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガスマン」の意味・わかりやすい解説

ガスマン
がすまん
Vittorio Gassman
(1922―2000)

イタリアの俳優、演出家。ジェノバに生まれる。1943年に国立演劇アカデミーを卒業、同年秋にデビューして以来、古典悲劇から現代の喜劇にわたる内外の幅広いレパートリーに優れた資質を示した。T・ウィリアムズの『欲望という名の電車』やアルフィエーリの『オレステ』などの主演で名声を博し、52年以降は劇団主宰セネカの『テュエステス』や『ハムレット』の主演、56年のオセロイアーゴの交互出演などで高い評価を得た。60年にはイタリア民衆劇場を結成し、国内のほかロンドンでも興行を行った。映画俳優としても国際的な声価をあげた。

赤沢 寛]

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