ガルス
Gaius Cornelius Gallus
生没年:前69ころ-前27か26
ローマの抒情詩人,将軍。ガリアの地中海沿岸の町フォルム・ユリイに生まれた。前30年にオクタウィアヌス(後のアウグストゥス)の将軍の一人としてアントニウスの軍を破り,属州エジプトの初代総督に任ぜられたが,後年アウグストゥスの不興を買い自殺した。ガルスはプロペルティウス,ティブルス,オウィディウスと並んでラテン恋愛抒情詩を代表する詩人であり,2行1組のエレゲイアの韻律で書かれ,リュコリスの名を冠した女主人公にあてられた恋愛詩は同時代の詩人たちに広く知られていた。近年まで彼の真作として伝えられてきた詩行はわずか1行にすぎなかったけれども,1963年に始まったエジプトのカスル・イブリム遺跡発掘の出土品中からガルス作と目される詩の書かれたパピルスが発見され,リュコリスの名が見られることから,真作であることはほぼまちがいないと報告されている。
執筆者:平田 真
ガルス
Flavius Claudius Constantius Gallus
生没年:325ころ-354
ローマ皇帝(副帝)。在位351-354年。エトルリアに生まれる。父ユリウス・コンスタンティウスと兄たちは337年宮廷革命で殺されたが,彼は幼少のため異母弟ユリアヌスとともに助命された。従兄の正帝コンスタンティウス2世により副帝に起用され,帝妹コンスタンティナと結婚し,シリアのアンティオキアに駐留したが,粗暴な性格による失政と謀反の嫌疑のため召還され,ポーラ付近のフラノナで処刑された。
執筆者:秀村 欣二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ガルス
Gallus, Gaius Vibius Trebonianus
ガルス
Gallus, Jacobus
[生]1550.7.31. ライフニッツ
[没]1591.7.18. プラハ
オーストリアの作曲家。本名 Jacob Hándl。オーストリア宮廷歌手から,1579年オルミュッツの司教に仕えた後,85年プラハ聖ヨハネ大聖堂合唱長。ベネチア様式の作曲家で,色彩的な作曲技法にすぐれていた。4声のモテト『見よ,正者のいかに死せるかを』はヘンデルの『葬送アンセム』に転用されている。ミサ 16曲のほか,モテトなど教会音楽を多数作曲。
ガルス
Gallus, Gaius Cornelius
[生]前69頃
[没]前26
ローマのエレゲイア詩人,政治家。ラテン語エレゲイア詩の創始者といわれ,ウェルギリウス,チブルス,プロペルチウス,オウィディウスらに多大の影響を与え,大詩人と仰がれた。アウグスツス帝のもとで初代エジプト総督に任じられたが,帝の不興をこうむり召還され,自殺した。多くの作品のうち,わずか1詩行が残っている。
ガルス
Gallus, Aelius
前1世紀頃のローマの軍人。アウグスツス帝の部下で,ストラボンの友人。エジプト総督。アラビアのフェリクスの富の誇張的報告を信じたアウグスツスより命を受け遠征したが,ナバタイ人シラエウスの裏切りにより失敗した。
ガルス
Gallus, Gaius Asinius
[生]前41
[没]後33
古代ローマの政治家。前8年執政官 (コンスル ) に就任。2年後アシア総督。チベリウス帝を怒らせ,30年 71歳で逮捕され,3年間入獄後,餓死した。
ガルス
Gallus, Aulus Didius
前1世紀頃のローマの政治家,軍人。キンメリアに遠征後,水道長官,アシア,アフリカの総督を歴任。前 58~52年ブリタニア総督として所領を保持した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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ガルス
がるす
Gaius Cornelius Gallus
(前69ころ―前26)
古代ローマの詩人、政治家。アウグストゥス帝とウェルギリウスの友。対クレオパトラ戦争の将軍、初代エジプト総督などを務めたが、のちに追放され自殺した。彼は、神話の恋を歌うヘレニズムのエレゲイア詩を応用し、カトゥルスの影響のもとに、リュコーリスに対する恋情を歌い、ローマ独特の主観的恋愛エレゲイア詩の開祖になった。
[中山恒夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のガルスの言及
【ザンクト・ガレン修道院】より
…アイルランド出身の伝道者[コルンバヌス]に同行したガルスGallus(?‐627)が,613年スイス山中(現,ザンクト・ガレンの地)に建設した僧房に始まる。720年アラマン人オトマールOtmar(689ころ‐759)がこれを修道院として確立し,まもなくベネディクト会に転換した。…
※「ガルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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