日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーネット」の意味・わかりやすい解説
ガーネット(Eve C. R. Garnett)
がーねっと
Eve C. R. Garnett
生没年不詳。イギリスの児童文学作家、画家。ウースターシャーに生まれ、ロンドンの王立美術学校に学ぶ。画業はテート・ギャラリーに陳列されている。スケッチのため訪れたスラム街で貧困の実情をみて義憤をもち、貧乏撲滅の一発の弾として、『ふくろ小路一番地』(1937)を発表。ユーモアとペーソスあふれる貧しい一家の物語は、底にある強烈な人道主義によって読者の心を揺さぶったが、現在は外側からの同情という批判もある。『続ふくろ小路一番地』(1956)は前作に及ばない。
[神宮輝夫]
『石井桃子訳『ふくろ小路一番地』(岩波少年文庫)』