ガーネット(読み)がーねっと(英語表記)Eve C. R. Garnett

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーネット」の意味・わかりやすい解説

ガーネット(Eve C. R. Garnett)
がーねっと
Eve C. R. Garnett

生没年不詳。イギリスの児童文学作家画家。ウースターシャーに生まれ、ロンドンの王立美術学校に学ぶ。画業はテート・ギャラリーに陳列されている。スケッチのため訪れたスラム街貧困実情をみて義憤をもち、貧乏撲滅の一発の弾として、『ふくろ小路一番地』(1937)を発表。ユーモアペーソスあふれる貧しい一家の物語は、底にある強烈な人道主義によって読者の心を揺さぶったが、現在は外側からの同情という批判もある。『続ふくろ小路一番地』(1956)は前作に及ばない。

神宮輝夫

『石井桃子訳『ふくろ小路一番地』(岩波少年文庫)』


ガーネット(ざくろ石)
がーねっと

ざくろ石

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガーネット」の意味・わかりやすい解説

ガーネット
Garnett, David

[生]1892.3.9. ブライトン
[没]1981.2.17. フランス,モンクック
イギリスの小説家。 E.ガーネットの息子。大学で植物学を学び,第1次世界大戦中は難民救済機関に勤務。幻想的な小説『狐になった奥様』 Lady into Fox (1922) で有名になり,ホーソンデン賞,ジェームズ・テート・ブラック記念賞を受けた。『動物園の男』A Man in the Zoo (24) ,『いなご襲来』 The Grasshoppers Come (31) など同種のファンタスティックな作品があり,ほかに自伝,T.E.ロレンスの書簡集編纂など。

ガーネット
Garnett, Richard

[生]1835.2.27. リッチフィールド
[没]1906.4.13. ロンドン
イギリスの作家,書誌学者。大英博物館図書部に勤め,同部長 (1890~99) 。詩集やカーライル伝,ミルトン伝などのほか,E.ゴスとの共著『図説イギリス文学史』 An Illustrated Record of English Literature (1903) の大著がある。

ガーネット
Garnet, Henry Highland

[生]1815
[没]1882.2.13.
アメリカの長老派教会 (プレスビテリアン) 牧師。黒人奴隷として生れ,オネイダ共同社会の学校で教育を受ける。奴隷制反対の演説家として有名。 F.ダグラス出現以前の指導的な黒人奴隷制即時廃止論者として活躍した。 1881年リベリア駐在大使に就任。

ガーネット
Garnett, Edward

[生]1868. ロンドン
[没]1937.2.21. ロンドン
イギリスの批評家。 R.ガーネットの次男。出版社の顧問としてコンラッド,ゴールズワージー,D.H.ロレンスらを文壇に送り出した。コンラッドの書簡集の編者。妻コンスタンス (1861~1946) はロシア文学の翻訳者として知られる。

ガーネット

柘榴石」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android