デジタル大辞泉
「キマイラ」の意味・読み・例文・類語
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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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キマイラ
Chimaira
ギリシア神話の怪獣。その名は〈雌ヤギ〉の意。ホメロスの《イーリアス》には,〈前方はライオン,うしろは大蛇,まんなかはヤギのかたちをなし,ものすごい火炎を口から吐く〉とあり,この恐るべき怪獣をヘシオドスの《神統記》は,冥府の番犬ケルベロスやレルナの水蛇と同様,怪物テュフォンとエキドナの子に数えている。キマイラは小アジアのリュキア地方で猛威をふるっていたが,神馬ペガソスに乗った英雄ベレロフォンに射殺された。美術作品では,フィレンツェにある有名な青銅製のキマイラ(前5世紀のエトルリア美術)のように,尾が蛇で,背中からヤギの頭が突き出たライオンとして表現されることが多い。
執筆者:水谷 智洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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キマイラ
ギリシア神話の怪物。〈雌山羊〉の意。頭はライオン,尾は蛇,胴は山羊で,口から炎を吐く。小アジアのリュキアを荒らしていたが,天馬ペガソスに乗ったベレロフォンに殺された。フランス語でシメール,生物学用語としてはキメラ。
→関連項目テュフォン|竜
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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キマイラ
Chimaira
ギリシア神話の怪獣。テュフォンとエキドナの間に生れた恐ろしい怪物の一つで,ライオン,やぎ,へびの頭をもち,口から火を吐いた。小アジアのカリア地方に住み,周辺の土地を荒していたが,リュディア王イオバテスの命令を受けたベレロフォンが,天馬ペガソスの助けをかりて退治したとされる。美術では,古代ギリシア以来工芸品の文様として用いられている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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キマイラ
きまいら
Chimaira
ギリシア神話の怪物。ヒドラ(水蛇)あるいはエキドナ(蛇女)の子とされ、ホメロスによれば頭部は獅子(しし)、胴体は牝山羊(めやぎ)(ギリシア語でキマイラ)、後部は竜、またヘシオドスによれば、獅子と牝山羊と竜蛇の三つの頭をもつ合成怪獣とされる。口から火を吐いてはリキアの人畜を苦しめていたが、英雄ベレロフォンに退治された。今日生物学で、遺伝子型の異なる組織が合体した生物体のことを「キメラ」とよぶが、これはこの怪物にちなんだ命名である。
[中務哲郎]
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世界大百科事典(旧版)内のキマイラの言及
【ベレロフォン】より
…しかしそれを拒まれると,彼女は逆に彼が邪恋を寄せたと夫に訴えたため,王は本状持参の者を殺すようにとしたためた手紙を持たせて,彼を王妃の父,小アジアのリュキア王イオバテスIobatēsのもとへ赴かせた。そこでリュキア王は彼に怪獣[キマイラ]退治を命じたが,ベレロフォンは有翼の神馬[ペガソス]の助けを得て怪獣を射殺したばかりか,次に命じられたソリュモイ人,アマゾン族の征伐などの難業をも首尾よくなし遂げたので,王女を妻に与えられ,王国の継承者とされた。しかし,のちに彼はペガソスに乗って天に登ろうとしてゼウスの怒りを買い,神馬から振り落とされて不具になったという。…
※「キマイラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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