日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クレーター・レーク国立公園
くれーたーれーくこくりつこうえん
Crater Lake National Park
アメリカ合衆国北西部、オレゴン州のカスケード山脈中にある国立公園。クレーター湖を中心とする面積約650平方キロメートルの火山公園で、1902年指定。「クレーター」は火口の意であるが、同湖は、おもに安山岩質のマザマ火山の頂部が、約7000年前に、激烈な爆発や火砕流でおもに石英安山岩質軽石を60余立方キロメートルも噴出した結果、陥没して生じたカルデラ湖である。湖中に安山岩質の中央火口丘であるウィザード島が、また外輪山の東側山腹には公園内最高のスコット峰(2724メートル)がある。
カルデラ縁の最高点は2487メートル、湖は径8~10キロメートル、水深605メートル、透明度27メートル。湖水の出口はなく、年降水量(1800ミリメートル余)と蒸発・浸出量がよく平衡を保ち、水面(標高1880メートル)の年変化は1メートル未満である。ウィザード島は、高さ水面上230余メートル、溶岩が噴出してからまだ1000年はたっていない。著名な景勝地であるが、この湖を白人が発見したのは1853年である。
[諏訪 彰]