クロアシアホウドリ(読み)くろあしあほうどり(英語表記)black-footed albatross

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロアシアホウドリ」の意味・わかりやすい解説

クロアシアホウドリ
Phoebastria nigripes; black-footed albatross

ミズナギドリ目アホウドリ科。全長 68~74cm,翼開張 1.8mの大型のアホウドリ。の基部と眼の下が白い以外は,全身がほぼ灰褐色である。腰から上尾筒が白い個体もあるが,これが年齢による相違か,個体群間の相違かはよくわかっていない。嘴と脚は紫色を帯びた黒色。分布域は日本近海からベーリング海アラスカ湾など北太平洋で,カリフォルニア沿岸にまで達する。繁殖地は沖合いにあるハワイ諸島小笠原諸島鳥島尖閣諸島などである。2013年には伊豆諸島の八丈島沖合いの無人島,八丈小島で数十羽の繁殖が確認された。繁殖期以外は陸に上がらず,常に沖合いの海域で生活し,おもに海面に浮上してくるイカ魚類をとる。国際自然保護連合 IUCNレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロアシアホウドリ」の意味・わかりやすい解説

クロアシアホウドリ
くろあしあほうどり / 黒足信天翁
black-footed albatross
[学] Phoebastria nigripes

鳥綱ミズナギドリ目アホウドリ科の海鳥。大形で全長71センチメートルに達する。名のように足だけでなく全身黒褐色で、翼は著しく細長く、翼開長は2.03メートルもある。魚類、イカ、甲殻類を食べる。ハワイ諸島に多産し、日本の伊豆諸島、小笠原(おがさわら)諸島、尖閣(せんかく)諸島でも繁殖している。

[長谷川博]

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