ピー(英語表記)pi

翻訳|pi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピー」の意味・わかりやすい解説

ピー
pi

タイの気鳴楽器。複舌単管棒状のもの。ヨーロッパのオーボエや日本の篳篥 (ひちりき) と同種で,種類が豊富。管の多くは木製であるが,まれには大理石や象牙製もある。両端と中央部がふくらんだ中空の管で,上端にリードを差込み下端の管縁に鉛屑と密ろうを練ったものを盛って調律する。中央のふくらみには滑り止めと装飾を兼ねた細い輪を 14本締めつけてある。指孔は上方4孔,下方6孔で,リードは乾燥したシュロの葉を丸く切ったものを4枚重ね合せ,長さ 5cmほどのリード管に絹糸で結びつける。標準的なピーに,ピー・ノーク,ピー・クラーング,ピー・ナイの3種があり,37~43cmと長さも順次長くなり,直径も太くなる。それぞれ野外用,影絵用,室内用と用途が決っているが,これらのほかに,日本の篳篥や中国の管子と同様の2枚リードで表7孔,裏1孔のピー・オーや,インドのシャーナイ系と思われる先端が朝顔状に広がっているピー・チャナイ,同じくジャワ系のピー・チャワなどがある。標準的なピーは,ピーパット編成での中心的楽器として使用される。

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