デジタル大辞泉
「ピー」の意味・読み・例文・類語
ピー(P/p)
1 英語のアルファベットの第16字。
2 《page》本のページの略号。
3 《pitcher》野球で、投手の略号。
4 《parking》道路標識や地図記号・地図上のアイコンで、「駐車場」「駐車可」の記号。
5 〈P〉《producer》プロデューサー。
6 〈p〉《〈イタリア〉piano》音楽で、強弱標語の一つ、ピアノの記号。
7 〈P〉《phosphorus》燐の元素記号。
8 《parental》遺伝学で、親の世代を表す記号。
9 〈p〉《pico》数の単位、ピコの記号。
10 〈p〉《〈フランス〉petit》染色体の短腕を表す記号。12pは12番染色体の短腕を意味する。
11 〈P〉《piece》部品や料理などを数える、助数詞としてのピースの略。
12 〈P〉《player》主にテレビゲームで、遊ぶ人を数える助数詞としてのプレーヤーの略。
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ピー
- 〘 名詞 〙 ( [英語] P, p )
- ① 英語のアルファベットの第一六字。
- ② ( P ) 化学で、燐(りん)の元素記号。
- ③ ( [英語] page の略 ) ページ。
- ④ ( p ) 音楽の強弱記号の一つ。ピアノ。
- ⑤ ( [アメリカ] pitcher の頭文字 ) 野球の投手。「ピーゴロ」
- ⑥ 遺伝学で、親の世代を表わす記号。
- ⑦ ( P ) ビタミンの一つ。
- ⑧ ( P ) ( [英語] primary の頭文字 ) 地学で、地震波の一つ。震源から伸び縮みの状態が地球内部を伝わる縦波。S波に対していう。P波。
- ⑨ ( P ) ( [英語] poise の頭文字 ) 粘度の単位を表わす記号。
- ⑩ ( p ) ( [フランス語] pico- の頭文字 ) メートル法の単位の上に付けて、一兆分の一を表わす記号。
- ⑪ ( P ) ( [英語] parking の頭文字 ) 道路標識で、駐車場の記号。
ピー
- 〘 名詞 〙 ( 中国語「(bī)」から ) 女陰、または従軍慰安婦をいう旧軍隊の隠語。
- [初出の実例]「女とやる資格ないねん。ピーとでもな」(出典:冷え物(1975)〈小田実〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ピー
phi
タイ族固有の精霊観念をいう。超自然的存在のすべてを包括した名称で,その範囲は,自然霊(田畑,草木,河川,森林の霊)をはじめとする非人格的な精霊から,祖霊,悪霊,魔物,妖怪をも含め,さらには高次の神祇にいたるまで,多岐に及んでいる。人間の生活万般を保護する守護精霊たる善霊と,たたりや災厄をもたらす悪霊の2種に大別される。善霊を対象に人々は供養と祭祀とを営み,その見返りとして悪霊の駆逐と災厄の除去を期待した。なかでも土地の精霊は一定地域を支配・統括する土地神(チャオ・ティー)として,屋敷神(家の守護霊。宅地内の柱上祠で供養する),部落神(村の守護霊。地神祠などの小堂で祭る),国礎神(国の守護霊。精霊祠堂で祭る)へと結集・統一され,社会的な性格を帯びた地域の結合神として有効に機能している。ピー世界の専従職能者としては,主として悪霊の統御と馴致に携わるモー・ピー(呪医)と,ピーの意を人間に取り次ぐ霊的仲介者コン・ソン(巫者)の両者をあげることができる。ピー崇拝は現在もタイ民衆の間に根強く行われ,外来の高度宗教(南方上座部仏教)とならんで重層信仰を形成している。
執筆者:森 幹男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ピー
pi
タイの気鳴楽器。複舌単管棒状のもの。ヨーロッパのオーボエや日本の篳篥 (ひちりき) と同種で,種類が豊富。管の多くは木製であるが,まれには大理石や象牙製もある。両端と中央部がふくらんだ中空の管で,上端にリードを差込み,下端の管縁に鉛屑と密ろうを練ったものを盛って調律する。中央のふくらみには滑り止めと装飾を兼ねた細い輪を 14本締めつけてある。指孔は上方4孔,下方6孔で,リードは乾燥したシュロの葉を丸く切ったものを4枚重ね合せ,長さ 5cmほどのリード管に絹糸で結びつける。標準的なピーに,ピー・ノーク,ピー・クラーング,ピー・ナイの3種があり,37~43cmと長さも順次長くなり,直径も太くなる。それぞれ野外用,影絵用,室内用と用途が決っているが,これらのほかに,日本の篳篥や中国の管子と同様の2枚リードで表7孔,裏1孔のピー・オーや,インドのシャーナイ系と思われる先端が朝顔状に広がっているピー・チャナイ,同じくジャワ系のピー・チャワなどがある。標準的なピーは,ピーパット編成での中心的楽器として使用される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内のピーの言及
【スルナイ】より
…ダブル・リードで音を発する木製の管楽器で円錐状の管孔をもち,基本的には大部分のものが前面7孔,裏面1孔という同一の構造をもっているが,各文化圏により名称や大きさ,材質などに微妙な違いが見られる。ペルシア語の呼称は〈祭sūrの笛nāy〉の意で,トルコのズルナzurna,北インドのシャーナーイshahnāi,インドネシアのスルナイserunai等のようにペルシア語に由来した呼称が行われている一方,チベットのギャリンrgyaling,タイのピーpīなどのようにペルシア語からは遠ざかっているものもある。中国では明代に伝えられソーナー,スオナーなどと呼ばれ,鎖吶,鎖などと記され,清代には嗩吶,蘇爾奈とも書かれた。…
【アニミズム】より
…日本各地で見られるキツネツキ,ヤコツキ,オサキツキなどは,動物霊憑依の例である。日本の霊魂・精霊に相当する霊的存在に,タイのピーphi,pii,ミャンマーのナットnat,インドネシアのアニートanito,マレーシアのハントゥhantuなどがある。これら霊的存在は民衆の宗教生活の主要部分に深くかかわり,畏敬・畏怖の対象とされていることが多い。…
【アニミズム】より
…日本各地で見られるキツネツキ,ヤコツキ,オサキツキなどは,動物霊憑依の例である。日本の霊魂・精霊に相当する霊的存在に,タイのピーphi,pii,ミャンマーのナットnat,インドネシアのアニートanito,マレーシアのハントゥhantuなどがある。これら霊的存在は民衆の宗教生活の主要部分に深くかかわり,畏敬・畏怖の対象とされていることが多い。…
【タイ】より
…
[ラタナコーシン朝]
アユタヤ朝滅亡後ただちにビルマ軍を撃退して1767年みずから王位についた[タークシン]は,徹底的に破壊された王都アユタヤの再建をあきらめ,より河口に近いトンブリーに新たな都を開いた。タークシンはその後も執拗に繰り返されたビルマの侵入を撃退しつつ,まず旧畿内の諸〈ムアン〉の秩序を確立すると,みずから兵を率いてピッサヌローク,ピーマイ,ナコーンシータマラートを制圧,さらに進んで,カンボジア,ラオス,ラーンナータイを攻撃し,アユタヤ以来の宗主権を回復した。アユタヤ朝のいずれの王家とも血縁関係のないタークシンは,仏教の篤信によって〈正法王〉の威光を示そうとしたが,晩年にいたって狂信に陥り,82年に〈非法王〉として部下の手で殺された。…
【ラオ族】より
…個人に宿る32の霊魂クワンの強化と呪縛のためにさまざまな儀礼が行われている。一方,広義の精霊的存在を示す[ピー]という観念もあり,祖先霊,土地の守護霊のピーを祭る儀礼が発達している。かつては土侯国の守護神ピー・ムアンに対して領主みずからが水牛の供犠儀礼を行った。…
※「ピー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」