デジタル大辞泉 「く」の意味・読み・例文・類語
く[接尾]
1 主語または連用修飾語となって、
㋐「…すること」「…するもの」の意を表す。
「あかねさす日は照らせれどぬば玉の夜渡る月の隠ら―惜しも」〈万・一六九〉
㋑「…する所」「…する場所」の意を表す。
「梅の花散ら―はいづくしかすがにこの
㋒「…するとき」の意を表す。
「み吉野の山の嵐の寒け―にはたや今宵も
2 「言ふ」「思ふ」などの意の動詞に付いて、引用文を導き、「…することには」「…するのは」の意を表す。
「寺々の女餓鬼申さ―
3 引用文の末尾に置かれ、引用句を形成して、「…すること」の意を表す。
「
4 文末にあって、文全体を名詞止めの感動文とする。「…くに」「…くも」の形で用いられ、「…することよ」「…であることよ」の意を表す。
「苦しくも暮れ行く日かも吉野川清き河原を見れど飽かな―に」〈万・一七二一〉
[補説]上二段・下二段・カ変・サ変の動詞および「つ」「ぬ」「しむ」などの助動詞には、その終止形の下に「く」と同じ意を表す「らく」が付く。ただし、上一段の「見る」には、その未然形に「らく」が付く。→らく(接尾) →ク語法