グリゴーリエフ(その他表記)Grigor'ev, Apollon Aleksandrovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリゴーリエフ」の意味・わかりやすい解説

グリゴーリエフ
Grigor'ev, Apollon Aleksandrovich

[生]1822.8.1. モスクワ
[没]1864.10.7. ペテルブルグ
ロシア評論家,詩人下級官吏の家に生れ,モスクワ大学に学んだ。 1846年処女詩集を刊行。この頃各種の雑誌に評論を発表しはじめ,51~56年には『モスクワ人』 Moskvityanin誌の主導的な評論家となった。 61年 F.ドストエフスキーと親交結び,雑誌『時代』『世紀』に寄稿スラブ主義芸術至上主義者,革命的民主主義者を「理論家」と呼んで対立した。おもな評論に,『プーシキン死後のロシア文学大観』 Vzglyad na russkuyu literaturu po smerti Pushkina (1859) ,『わが国の文学における国民性理念の発達について』O razvitii idei narodnosti v nashei literature (61~62) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリゴーリエフ」の意味・わかりやすい解説

グリゴーリエフ
ぐりごーりえふ
Аполлон Александрович Григорьев/Apollon Aleksandrovich Grigor'ev
(1822―1864)

ロシアの批評家、詩人。モスクワ大学法学部卒業(1842)後、法学の教師となる。さまざまな文学・思想上の遍歴ののち、ロシアの伝統的な生活様式を賛美するようになり、批評家としては、文学の社会性と現実への適合を唱える1850年代の主流に抗して、芸術の自律性を前提とする「有機的批評」を主張した(『有機的批評の法則用語』1859)。その仕事は、自己の内面と現実との悲劇的な矛盾を叙情的に歌った詩作品ともども、生前よりはむしろ死後、なかんずく20世紀初頭のロシア象徴派の人々によって正当に評価された。

[藤家壯一]

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